窃盗犯人と共同してその盗賍品たる銅線三四把を分担して各別に運搬した場合、その銅線全部について賍物運搬罪が成立する。
窃盗犯人と共同して賍物を各分担して運搬する行為と賍物運搬罪の成立の範囲
刑法60条,刑法256条2項
判旨
盗品等関与罪(刑法256条)は、本犯の実行後、その客体である盗品等の運搬・保管・有償譲受け等を行うことで成立し、本犯(窃盗犯人)と共同して盗品を運搬する行為もこれに含まれる。
問題の所在(論点)
窃盗の犯人と共同して盗品を運搬する行為が、刑法256条2項の「盗品等の運搬」に該当し、盗品等関与罪を構成するか。
規範
盗品等関与罪における「運搬」(刑法256条2項)とは、盗品等の所在を移転させることをいい、本犯(窃盗犯人)による処置を助ける行為であれば、本犯者自身と共同してこれを行っても同罪が成立する。
重要事実
被告人は、窃盗の実行犯であるA及びBが盗み出した銅線34把を、当該窃盗犯人らと共同して運搬した。この事実に基づき、被告人が盗品等運搬罪の共同正犯または単独犯として処罰されるかが争点となった。
あてはめ
被告人は、既に窃盗犯人A・Bによって占有が取得された後の銅線34把について、その所在を移転させる運搬行為を行っている。本犯者らと共同して運搬した事実は記録上認められ、これは本犯による盗品の保持・処分を容易にする行為に他ならない。したがって、たとえ本犯とともに運搬に関与したとしても、盗品等運搬罪の構成要件を充足すると評価される。
結論
被告人が窃盗犯人と共同して銅線を運搬した行為について、盗品等運搬罪の成立を認めた原判断は正当である。
実務上の射程
本判決は、盗品関与罪の本質が「本犯後の助成」にあることを前提に、本犯者との共同実行であっても同罪が成立することを確認したものである。答案上は、盗品関与罪の客体性が認められるタイミング(本犯の既遂後)と、行為態様の該当性を簡潔に論じる際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和26(あ)1580 / 裁判年月日: 昭和27年7月10日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】盗品等運搬罪は、被害者のためではなく犯人の利益のために領得を継受して盗品の所在を移転させ、被害者による回復を困難にさせた場合に成立する。 第1 事案の概要:被告人Bは、共犯者Aとともに、窃盗の被害品である盗品を運搬した。原審は、この運搬行為が被害者のためになされたものではなく、窃盗犯人の利益のため…