売笑婦とその抱主との契約関係は、職業安定法第5条1項にいわゆる「雇用関係」にあたる。
売笑婦とその抱主との関係と職業安定法第五条第一項にいう「雇用関係」
職業安定法5条1項,職業安定法63条2号
判旨
親告罪における告訴は、公訴の有効要件であり裁判所が職権で調査すべき事項であるため、厳格な証明を要せず、告訴状等の記載による自由な証明で足りる。
問題の所在(論点)
親告罪の告訴の有無といった訴訟条件に関する事実は、厳格な証明(証拠能力ある証拠かつ適法な証拠調べ)を必要とするか、それとも自由な証明で足りるか。
規範
親告罪における告訴の有無や有効性は、公訴提起の有効要件(訴訟条件)であり、裁判所が職権で調査すべき事項である。したがって、これら訴訟法の適用に関する事実は、刑罰権の存否を確定する「いかなる事実の認定も証拠によらなければならない」(厳格な証明)という法理の対象外であり、法定の証拠調べを経ることを要しない「自由な証明」で足りる。
重要事実
職業安定法違反が疑われる事案において、被告人側は告訴の有無等の認定手続に違法があると主張して上告した。第一審および控訴審は、告訴状や告訴調書の記載に基づいて告訴の存在を認定し、公訴の有効性を肯定した。これに対し、被告人側は当該認定が適法な証拠調べを経ていない旨を争った。
事件番号: 昭和57(あ)1144 / 裁判年月日: 昭和58年12月19日 / 結論: 棄却
電報電話局長に対し逆探知資料の送付嘱託を行うことの当否等を判断するため、右資料の存否という訴訟法的事実を認定するには、いわゆる自由な証明で足りる。
あてはめ
告訴は、公訴そのものの存在や訴訟上の出来事と同様に、訴訟法が定める証拠方法によらず、また法定の証拠調べを経ることを要さずに認識し得る事項である。本件において、原審が告訴調書および告訴状の記載により告訴の有無を認定したことは、職権調査事項の性質に照らして正当である。また、仮に証拠調べに一部不備があったとしても、それが直ちに判決に影響を及ぼす明らかな法令違反(刑訴法379条、384条)になるとは認められない。
結論
告訴の有無は告訴状等の記載により認定でき、法定の証拠調べ(厳格な証明)は不要である。
実務上の射程
訴訟条件(専属的管轄、告訴、被告人の生存等)に関する事実を論じる際の「自由な証明」の根拠として用いる。答案では、実体事実(犯罪事実)には厳格な証明が必要であることとの対比で、職権調査事項としての性質を強調して論じるのが一般的である。
事件番号: 昭和27(あ)5868 / 裁判年月日: 昭和29年3月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不法逮捕または不法抑留があったと認められない場合には、それに基づく証拠の証拠能力や手続の憲法違反を主張する前提を欠く。また、供述調書について第一審で同意がある場合は、特段の事情がない限り証拠能力が認められる。 第1 事案の概要:被告人の弁護人は、本件において不法逮捕および不法抑留の事実が存在し、そ…
事件番号: 昭和28(あ)1601 / 裁判年月日: 昭和28年10月15日 / 結論: 棄却
一 第一審では職業安定法六三条二号を適法に適用処罰している。すなわち、「公衆衛生又は公衆道徳上有害な事務に就かせる目的で、職業紹介……を行つた者」として処罰されたのである。その職業紹介が有料の職業紹介事業を行つたか(同法三二条一項本文)、無料の職業紹介事業を行つたか(同法三三条一項)は本件には関係がない。 二 第一審判…