所論堀内齋判事が被告人の保釋決定に關與していることは所論のとおりである。しかし舊刑訴法第二四條第八號は上訴により不服を申立てられた裁判又はその基礎となつた取調に關與した場合をいうのであるから、所論保釋決定に關與した場合を含まないことは論議を要しないところである。(昭和二四年新(れ)第一〇四號昭和二五年四月二日大法廷判決參照)。
保釋決定關與と舊刑訴法第二四條第八號
舊刑訴法24條8號
判旨
被告人や証人の供述のうち、可分な一部を分離して事実認定の資料に供することは適法であり、見張り行為が共謀に基づく実行行為の一部と認められる場合には強盗共同正犯が成立する。
問題の所在(論点)
1. 供述証拠の一部を分離して事実認定に用いることの可否。2. 強盗の共謀に基づき見張り行為を行った者に共同正犯が成立するか。
規範
被告人又は証人の供述が不可分のものである場合は、その一部を分離して供述全体の趣旨と異なる事実認定の資料に供することは違法である。しかし、供述が可分である場合には、その各部分を独立して事実認定の証拠に供することは適法である。また、共謀に基づき見張り等の役割を分担した場合には、実行行為の一部を担ったものとして共同正犯が成立する。
重要事実
被告人Bは、他の共犯者CおよびDと共謀し、強盗に及んだ。具体的には、CおよびDが日本刀等を用いて被害者を脅迫し抵抗を抑圧して財物を強取する間、被告人Bは当該家屋の表入口にて見張り役を担った。第一審および原審において被告人の供述が証拠として採用されたが、弁護人は供述の一部のみを採証したことの違法性、および見張り行為のみで強盗共同正犯と断ずることの不当性を主張して上告した。
あてはめ
1. 本件における被告人の公判調書等の供述記載を精査すると、原判決が認定した事実と同旨の部分は他の部分と分離することが可能である。したがって、可分な一部を証拠として採り、事実を認定した原審の判断に違法はない。2. 被告人Bは、他の共犯者と共謀の上、役割分担として「見張り」を担任している。原判決は、この見張り行為が共謀に基づく実行行為の一部であることを示しており、強盗共同正犯の成立を認める説示に欠けるところはない。
結論
供述が可分であれば一部のみの採証も適法であり、共謀に基づく見張り行為には強盗共同正犯が成立する。
実務上の射程
供述の「不可分一体性」が問題となる場面での引用が可能である。特に、被告人に有利な部分と不利な部分が混在する供述において、不利な部分のみを抽出して認定できるかという文脈で、その「可分性」を検討する際の根拠となる。また、見張り役の共同正犯性を肯定する基本的判例の一つとして位置づけられる。
事件番号: 昭和26(あ)1537 / 裁判年月日: 昭和26年10月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】共謀共同正犯の成立において、実行行為に直接関与していない者であっても、共謀の事実が認められ、その共謀に基づき犯罪が実行された場合には、共同正犯としての責任を負う。 第1 事案の概要:被告人は、共謀共同正犯の成立を認めた原判決に対し、事実誤認等を理由に上告した。一審判決および原判決は、検察事務官に対…
事件番号: 昭和24(れ)2466 / 裁判年月日: 昭和25年2月16日 / 結論: 棄却
強盜の共謀をした者は他の共謀者の暴行脅迫強取等の實行行爲を通じて自己の犯意が實行に移された以上は、たとい、自分は直接強盜の實行行爲をしなくとも強盜の共同正犯たる罪責を免れえないものであるから共謀者の一人である被告人が判示のごとく見張行爲をした以上判示他の共謀者の脅迫、強奪行爲に對しその責を負うべきものである。されば、原…