判事の更迭後從前の證據決定の施行として公判廷外において證據調をするには公判手續を更新することを要しない。(大正一三年(れ)第一九五號同年四月五日大審院第四刑事部判決)
判事の更迭における公判廷外の證據調と公判手續更新の要否
舊刑訴法353條,舊刑訴法410條16號
判旨
裁判官の更迭があった場合でも、公判外で行われる証拠調べは公判準備手続に該当するため、手続の更新(刑事訴訟法315条)を行う必要はない。
問題の所在(論点)
裁判官の更迭があった場合において、公判期日外の証拠調べ(現場検証等)を実施する前に公判手続の更新を行う必要があるか(刑事訴訟法315条の更新手続の要否)。
規範
公判期日外において行われる証拠調べは「公判準備手続」の性質を有する。したがって、判事の更迭があったとしても、公判手続の更新を要せず、更迭前の裁判所が決定した証拠調べをそのまま実施することが可能である。
重要事実
原審において、担当裁判官3名が列席して現場検証および現場での証人尋問が実施された。しかし、その証拠調べを決定し、かつ事実審理の大部分を行った前回の公判から、今回の証拠調べまでの間に裁判官2名の更迭があった。被告人側は、裁判官の更迭後に公判手続の更新をせず現場検証等を実施したことは違法であると主張して上告した。
あてはめ
本件で行われた現場検証および現場における証人尋問は、公判期日外において証拠決定の施行として行われたものである。これらは公判準備手続としての性格を持つ。公判準備手続は、直接主義の要請から裁判官の更迭時に更新が義務付けられる「公判手続」そのものには当たらないため、更迭後に改めて更新手続を経る必要はない。なお、本件ではその後の公判期日において適切に審理の更新がなされていることが認められる。
結論
公判外の証拠調べに更新手続は不要であり、原審の手続に違法はない。
実務上の射程
裁判官の更迭による公判手続の更新(刑訴法315条)の対象範囲を画定する際、公判外の準備手続は含まれないとする理論的根拠(準備手続説)として活用できる。実務上は、検証調書や尋問調書の証拠能力を争う場面で、更迭前後の手続的瑕疵の有無を検討する際に参照すべき判例である。
事件番号: 昭和26(あ)3297 / 裁判年月日: 昭和28年4月9日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和27(れ)57 / 裁判年月日: 昭和27年12月26日 / 結論: 破棄差戻
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