檢事の附帶控訴に關する刑訴法第三九九條の規定は憲法(第一一條第三七條第一項)違反と言うことはできない。
刑訴法第三九九條の合憲性
刑訴法399條,憲法11條、,憲法37條1項
判旨
検察官の附帯控訴を認めつつ被告人の附帯控訴を認めない刑事訴訟法の規定は、不利益変更禁止の原則の採用に伴う合理的な仕組みであり、憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
検察官の附帯控訴を認める刑事訴訟法399条の規定は、被告人の防御権や法の下の平等を侵害し、憲法に違反するか。特に、被告人の附帯控訴が認められていないこととの均衡が問題となる。
規範
検察官の附帯控訴(刑訴法399条)は、公益の代表者として適正な法の運用と正義を実現するために認められるものである。被告人のみが控訴した際、被告人の不利益に刑を変更できないとする「不利益変更禁止の原則(402条)」は立法政策に基づくものであり、これとの対比で検察官に附帯控訴を認めることは、被告人の利害決定の問題に帰結し、直ちに憲法違反とはならない。
重要事実
被告人が控訴した事件において、検察官が附帯控訴を申し立てた。被告人側は、検察官の附帯控訴によって被告人が不安定な状態に置かれ、控訴維持か取下げかの不当な選択を迫られること、また、検察官にのみ附帯控訴を認めて被告人に認めないのは不平等であり、憲法に違反すると主張して上告した。
あてはめ
検察官は国家機関として公益を代表し、適正な法運用を期すべき地位にある。検察官による独立控訴があれば、被告人に対し原判決より重い刑だけでなく軽い刑も言い渡しうるため、被告人に附帯控訴を認める必要はない。また、不利益変更禁止の原則が認められている現行法下では、被告人は自らの控訴を維持して判決を待つか、取下げによって原判決を確定させるかを自由に決定できる。このような制度設計は不利益変更禁止の原則を採用したことによる論理的帰結に過ぎず、憲法適否の問題ではなく刑事訴訟法の内容の当不当の問題である。
結論
検察官の附帯控訴に関する刑訴法の規定は憲法に違反しない。したがって、検察官の附帯控訴を前提とした原判決に違憲の違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟における検察官の附帯控訴の合憲性を確認した判例である。答案上は、不利益変更禁止の原則(402条)の趣旨(被告人の上訴権の保障)を論じる際の背景知識として重要であるが、現代の刑訴法では被告人の附帯控訴は明文上も認められていないため、制度の合理性を説明する際に引用する。
事件番号: 昭和44(あ)689 / 裁判年月日: 昭和44年12月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑制度は憲法13条に違反せず、またその適用の結果として生じる差異も不合理な差別を伴わない限り憲法14条に違反しない。被告人の経歴や犯行態様の重大性を勘案して死刑を維持した判断は正当である。 第1 事案の概要:被告人が犯した殺人等の犯罪事実(詳細は判決文からは不明)に対し、第一審が死刑を宣告した。…