行政処分取消訴訟に補助参加した者は、いわゆる共同訴訟的補助参加人と解するのが相当である。
行政処分取消訴訟の補助参加人の法律上の地位。
行政事件訴訟特例法8条,民訴法62条,民訴法69条
判旨
行政処分取消訴訟のように判決の効力が第三者にも及ぶ場合、その利害関係人は共同訴訟的補助参加人の地位を有し、被参加人が単独で行った控訴取下げは無効である。
問題の所在(論点)
行政処分の取消訴訟における補助参加人の法的地位、および被参加人のみによる控訴取下げが補助参加人との関係で有効に成立するか。
規範
行政処分の取消訴訟は、公権力の行使に関する法律関係を対象とし、画一的な規制の必要性から判決の効力が第三者にも及ぶ。したがって、当該訴訟への参加人は、民訴法上の共同訴訟に関する規定(現行40条)が準用される「共同訴訟的補助参加人」の地位を有し、被参加人と抵触する訴訟行為をなし得る。ゆえに、被参加人のみなされた控訴取下げは、参加人の利益を害する限りにおいて、当然にその効力を生じない。
重要事実
被上告人(農地買収処分等を受けた者)が敗訴した第一審判決に対し、その補助参加人らが控訴を提起した。控訴審の口頭弁論期日において、被上告人(被参加人)の代理人が口頭で控訴を取り下げる旨を陳述したが、次回の口頭弁論期日にて補助参加人らの代理人は「控訴取下げに同意し難い」と異議を申し立てた。この状況下で、被参加人の単独行為による控訴取下げの効力が争われた。
あてはめ
本件訴訟は訴願棄却裁決の取消しを求めるものであり、判決の効力が第三者にも及ぶ性質を持つ。そのため、参加人は共同訴訟的補助参加人として、あたかも共同訴訟人のごとき地位を有する。本件では、被参加人のみが控訴取下げを陳述したが、これに対し共同訴訟人に準ずる地位にある補助参加人らが次期日に明示的に不同意の意思を表示している。共同訴訟的補助参加の性質上、被参加人の行為が参加人の利益に反し、かつ参加人の訴訟追行を妨げる場合には、被参加人の単独行為によって訴訟を終了させることはできない。
結論
共同訴訟的補助参加が成立する場合、被参加人のみによる控訴取下げはその効力を生じない。したがって、本件控訴は依然として有効に係属する。
実務上の射程
行政訴訟法上の第三者効(40条等)が認められる場合や、会社法上の訴訟など判決の対世効が認められる場面での補助参加を「共同訴訟的補助参加」と定義し、通常の補助参加(民訴法45条2項)の制約を超えて参加人の独自の訴訟追行を認める際の根拠となる。答案上は、参加人と被参加人の利害が一致しない局面で、参加人の独立性を強調するために用いる。
事件番号: 昭和27(オ)284 / 裁判年月日: 昭和33年6月14日 / 結論: 破棄差戻
自作農創設特別措置法による農地買収計画について異議決定を経ない正当な事由がある場合には、右異議決定を経ない訴願は適法である