最高裁判所がなした上告棄却の判決に対する異議却下決定に対してなされた特別抗告につき、最高裁判所のなした却下決定に対しては再審の申立は許されない。
最高裁判所の決定に対する再審申立の適否
民訴法429条
判旨
最高裁判所がなした特別抗告に対する却下決定は、民事訴訟法第349条(旧429条)にいう「即時抗告を以て不服を申し立てることができる決定」に該当しないため、これに対する再審の訴えは不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所が特別抗告に対してなした却下決定が、民事訴訟法第349条第1項(旧429条)にいう「即時抗告を以て不服を申し立てることができる決定」に該当し、再審の対象となるか。
規範
決定に対する再審の申立て(民事訴訟法349条1項)が許容されるためには、当該決定が「即時抗告を以て不服を申し立てることができる」ものであることを要する。不服申立てが予定されていない確定的な決定については、再審の対象とはならない。
重要事実
申立人は、東京高等裁判所の上告棄却判決に対する異議却下決定に対し、最高裁判所へ特別抗告を申し立てた。最高裁判所はこれに対し抗告却下決定を下したが、申立人はさらに当該却下決定の再審を求めて本件申立てを行った。
事件番号: 昭和29(ヤ)4 / 裁判年月日: 昭和30年7月20日 / 結論: 却下
最高裁判所のなした終局裁判の性質を有する決定および命令に対しては、民訴第四二九条により、再審の申立をすることができる。
あてはめ
最高裁判所の抗告却下決定は、手続の終局的な判断を示すものであり、これに対してさらに即時抗告等の通常不服申立てを行うことは法文上想定されていない。したがって、本件決定は民訴法349条1項の要件である「即時抗告を以て不服を申し立てることができる決定」にはあたらないと解される。
結論
最高裁判所による抗告却下決定に対する再審申立ては、対象適格を欠き不適法であるため、却下すべきである。
実務上の射程
最高裁判所の決定は終局的なものであり、再審による不服申立ての対象が限定されていることを示す。実務上、特別抗告や許可抗告に対する最高裁の判断を再審で覆すことは、極めて限定的な法定事由がない限り困難であることを念頭に置くべきである。
事件番号: 昭和29(ク)4 / 裁判年月日: 昭和29年3月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(民訴法336条、旧419条の2)が適法となるためには、原決定に憲法違反があることを具体的に主張する必要があり、実質的な訴訟法違反や事実誤認の主張は適法な抗告理由とならない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定(原判決を維持したもの)に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。…
事件番号: 昭和42(ク)28 / 裁判年月日: 昭和42年3月29日 / 結論: 却下
高等裁判所が抗告審としてなした決定に対し、民訴法第四一三条による再抗告は許されない。
事件番号: 昭和34(す)325 / 裁判年月日: 昭和34年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求棄却決定に対する即時抗告を棄却した高等裁判所の決定に対し、最高裁判所へ上告または抗告を申し立てることは、法律に特別の規定がない限り不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、大正時代に有罪判決が確定した事件につき、昭和32年に再審請求を行った。横浜地方裁判所が再審請求を棄却し、これに対する…
事件番号: 昭和34(ク)35 / 裁判年月日: 昭和34年3月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限定され、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条等に相当)所定の事由がある場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人は、自身に対して下された上告棄却の判決を不服として最高裁判所に抗告を申し立てた。しか…