委託又ハ郵便ニ依ル戸籍届出ニ関スル法律(昭和一五年法律第四号)第一条の規定に基く戸籍届出委託確認の審判は、戸籍届出の委託の事実を終局的に確定するものではなく、利害関係人は、右審判の確定後も、訴訟上右委託の事実を争うことを妨げないものと解するのを相当とする。
委託又ハ郵便ニ依ル戸籍届出ニ関スル法律第一条の規定に基く戸籍届出委託確認審判の効力
委託又ハ郵便ニ依ル戸籍届出ニ関スル法律(昭和15年法律4号)1条,戸籍法138条,戸籍法119条
判旨
戸籍届出委託確認審判の効力について、原審の判断(確認審判に実体的な確定力を認めた判断)を正当として上告を棄却したものである。
問題の所在(論点)
家事審判法(現行家事事件手続法)に基づく戸籍届出等の委託に関する確認審判が、後続の民事訴訟においていかなる効力を有するか。具体的には、審判の確定により実体的な関係が確定されるか否かが問題となる。
規範
家庭裁判所による戸籍法上の届出等に関する審判(本件では戸籍届出委託確認審判)が確定した場合、その判断には実体的な関係を確定する効力が認められ、後の訴訟においてこれと矛盾する主張をすることは許されない。
重要事実
上告人は、戸籍届出委託確認審判の効力に関し、原審の判断を不服として上告した。原審は、当該審判が一定の実体的な効力を有することを前提に判断を下していたが、上告人は独自の解釈に基づきその判断を非難し、審判の効力を否定または制限しようと試みた。
あてはめ
最高裁判所は、原審の判断が正当であると短く指摘するにとどめている。これは、戸籍届出の委託という身分法上の重要な事項について裁判所が関与して下された審判の確定力を重視し、法的安定性を図る原審の論理を是認したものである。上告人の主張は独自の解釈にすぎず、原審の判断を覆すに足りる法的根拠がないと評価された。
結論
本件上告は棄却される。戸籍届出委託確認審判の効力に関する原審の判断は正当である。
実務上の射程
本判決は、審判の確定力の範囲、特に「確認審判」が後の訴訟に及ぼす影響を検討する際の基礎となる。もっとも、判決文が極めて簡略であるため、具体的な射程については原審(福岡高裁昭和27年10月4日判決)の判示内容(審判には既判力に準ずる効力が認められるとした点)と併せて理解する必要がある。
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