認知の訴は、現行法上これを形成の訴と解すべきものである。
認知の訴の性質
民法787条,人事訴訟手続法32条
判旨
認知の訴え(民法787条)は、嫡出でない子とその父母との間の法律上の親子関係を創設するものであり、形成の訴えと解するのが相当である。
問題の所在(論点)
民法787条に基づく認知の訴えの法的性質は、意思表示を命じる給付の訴えか、あるいは親子関係を創設する形成の訴えか。
規範
認知の訴えは、父母の死後も提起可能であること、判決が第三者に対しても効力を有すること(対世効)、および法律上の親子関係を創設する性質を有することから、形成の訴えと解される。
重要事実
被上告人が上告人に対して認知の訴えを提起した。第一審判決は「被告は原告を認知すべし」との主文を言い渡し、あたかも被告に対して認知の意思表示を命じる給付判決のような文言を用いた。これに対し、被告側が判決の性質や主文の妥当性を争って上告した。
あてはめ
認知の訴えは、改正により「認知を求める」から「提起する」という用語に改められ、離婚や離縁の訴えと同様の形式となっている。また、判決には第三者効が認められており、単なる特定の当事者間の給付義務の確認にとどまらない。第一審の「認知すべし」という文言は不適切ではあるが、その趣旨は親子関係の発生を宣言する形成的なものであると解される。
結論
認知の訴えは形成の訴えであり、第一審判決の用語に不備があっても、親子関係を発生させる趣旨である以上、法令違背には当たらない。
実務上の射程
認知の訴えが形成の訴えであることを明示したリーディングケースである。答案上は、人事訴訟の性質(形成性・対世効)を論じる際の基礎となるほか、給付判決と異なり判決の確定によって直ちに親族法上の効果が生じることを説明する根拠として用いる。
事件番号: 昭和36(オ)36 / 裁判年月日: 昭和36年7月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】認知請求の訴えにおいて、懐胎期間中の継続的な情交関係、出生後の金品提供、他男性との交友関係の不存在、および鑑定結果を総合して、嫡出でない子と父との間の親子関係を認めることができる。 第1 事案の概要:被告(男)は、原告の母Dと昭和15年頃から情交関係を結び、Dに仕事の取締りや炊事をさせるなど事実上…