一 労働組合規約に、組合員総会に諮るべき事項として、組合規約等の外委員会において必要と認むる事項と、また委員会に諮るべき事項として組合運営に関する事項等の外総会に諮るべき事項と定めている場合においても、緊急な特別の事情がある場合には、委員会に図ることなく、組合員より直接総会に議案を提出することを得るものと解すべきである。 二 旧組合が解散して新組合が結成された場合において、旧組合と新組合との間に関連性がなく、団体としての統一的持続を欠く場合には、旧組合当時の労働協約はその効力を失うものと解すべきである。
一 労働組合規約に組合員総会の決議事項として特定事項の外委員会において必要と認むる事項とまた委員会の決議事項として特定事項の外総会に諮るべき事項と規定している場合と総会における組合員の議案提出権の有無 二 旧組合が解散して新組合が結成された場合と旧組合当時の労働協約の効力
労働組合法14条
判旨
労働組合が内紛解決のために解散し、別個の組合を新設した場合には、団体の統一的持続性が欠けるため、旧組合の労働協約は失効する。また、緊急時には規約の定めがなくとも総会で組合員による議案提出が認められ、その際の事前通知は不要である。
問題の所在(論点)
1. 規約上、委員会の先議や議案通知が要求されている場合に、これらを経ずになされた総会での解散決議は有効か。2. 組合が解散し新組合が結成された場合、旧組合の労働協約は新組合に承継(存続)されるか。
規範
1. 組合総会における議案提出権について:規約上、議案提出が執行機関(委員会)の管掌下にある場合でも、委員会の恣意により組合員の権利が蹂躙されるのを防ぐため、緊急な特別の事情がある場合には、組合員による直接の議案提出が認められる。この場合、事前の通知を要しない。2. 労働協約の承継について:旧組合が解散し新組合が結成される際、内紛解決等を目的として別個の組合を結成したと認められる場合には、団体としての統一的持続性を欠くため、旧組合の労働協約はその効力を失う。
重要事実
上告人らは、被上告人会社における旧労働組合の組合員であった。旧組合では内紛が生じており、その解決のために組合総会において解散が決議され、新たに別個の新組合が結成された。この解散決議の際、委員会の先議や事前の議案通知を経ずに、総会中に組合員から解散議案が提出された。その後、会社は上告人らが業務能率を低下させたこと等を理由に解雇した。上告人らは、解散決議は規約違反で無効であり、旧組合時代の労働協約(自動延長条項付)が存続しているため、当該協約に反する解雇は無効であると主張して争った。
あてはめ
1. 議案提出について:本件規約では委員会の先議が原則とされているが、委員会が議案提出を拒む場合に組合員が関与できないとするのは不合理である。本件は内紛解決という緊急特別の事情がある場合に当たり、総会中の組合員による議案提出が認められる。この場合、召集手続に関する事前通知の規定は適用されず、決議は有効である。2. 労働協約について:本件では旧組合の内紛により、その「脱皮生長」を図るために解散し、新に別個の組合を結成したものである。前後の組合間に組織的関連性がなく、団体の統一的持続性が欠如している以上、旧労働協約が当然に承継されることはない。
結論
本件解散決議は有効であり、旧労働組合の消滅に伴い労働協約も失効している。したがって、旧協約の存在を前提とする上告人らの主張は認められない。
実務上の射程
組合の同一性が否定される場合の労働協約の失効(非承継)に関するリーディングケースである。特に「内紛解決のための解消的解散」という事実認定がある場合に、協約失効を導く規範として活用できる。また、総会運営における瑕疵(事前通知欠如等)が、緊急時においていかなる範囲で治癒されるかという手続的有効性の判断基準も示している。
事件番号: 昭和34(オ)396 / 裁判年月日: 昭和35年7月21日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和30(オ)198 / 裁判年月日: 昭和32年11月1日 / 結論: 棄却
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