団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起を受けたときは、裁判長は直ちに、命令をもつて訴状を却下すべく、右命令に対する抗告事件においては、抗告裁判所の裁判長は、直ちに、命令をもつて抗告状を却下すべきである。また、右と異る下級審の裁判に対し上訴が提起されたときは、上訴裁判所は、直ちに、原判決を取り消し、訴状を却下すべきものである。
団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起があつたときの裁判
民訴法228条,民訴法202条,団体等規正令,解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令(昭和23年政令238号)
判旨
連合国軍最高司令官の指示に基づき制定された、団体等規正令等による法務総裁の処分の効力を争う訴えについて、日本の裁判所は裁判権を有しない。
問題の所在(論点)
連合国軍最高司令官の指示に基づく超憲法的なポツダム政令等による行政処分の効力を、日本の裁判所が審査する権限(裁判権)を有するか。
規範
ポツダム宣言の受諾に伴い発せられる命令に関する件に基づき、連合国最高司令官の要請により制定された法令、およびこれに基づく行政処分の効力を争う事項については、日本の裁判所の裁判権は及ばない。このような裁判権の欠如が明白な訴えが提起された場合、裁判所は不適法なものとして直ちに却下すべきである。
重要事実
上告人らは、団体等規正令(昭和24年政令第64号)および解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基づき行われた法務総裁の処分の効力を争い、その取り消し等を求めて提訴した。第一審および第二審は本案について判断を示したが、これに対し上告がなされた。
事件番号: 昭和25(オ)254 / 裁判年月日: 昭和25年7月27日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】連合国最高司令官の指示に基づく連合国側及び日本政府による団体解散等の処分については、日本の裁判所に裁判権が及ばない。裁判権が欠如する訴えの提起を受けた場合、裁判所は訴状を却下すべきである。 第1 事案の概要:上告人らは、連合国最高司令官の指示を受けて制定された「解散団体の財産の管理及び処分等に関す…
あてはめ
本件で争われている法務総裁の処分は、団体等規正令および解散団体の財産管理等に関する政令に基づくものである。これらの政令は連合国最高司令官の指示に基づくポツダム命令の一環であり、その処分の適否を審査することは、当時の占領下の法秩序において日本の裁判所の権限外にある。したがって、本件訴えは日本の裁判所が裁判権を有しない事項を対象とするものであり、訴訟要件を欠くといえる。
結論
日本の裁判所は裁判権を有しないため、本件訴状を却下する。第一審および第二審の判決は裁判権の不在を見落としたものであり、破棄を免れない。
実務上の射程
占領下という特殊な法状況における判例であり、現在の実務での直接的な射程は極めて限定的である。ただし、司法権の限界に関する議論の中で、条約や国際的事項を背景とする国家行為の裁判可能性を論ずる際の歴史的素材として言及されることがある。
事件番号: 昭和25(オ)255 / 裁判年月日: 昭和25年8月4日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】連合国最高司令官の指示に基づく団体等規正令等の処分については、日本の裁判所は裁判権を有せず、これに反する訴えが提起された場合には訴状を却下すべきである。 第1 事案の概要:上告人らは、団体等規正令等に基づき法務総裁らが行った団体の解散や財産の接収指定といった処分の効力を争い、その取消し等を求めて提…
事件番号: 昭和25(オ)256 / 裁判年月日: 昭和25年8月4日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】GHQの指令に基づく団体等規正令等の処分を争う訴訟は、日本の裁判所の裁判権に属しない。このような訴えが提起された場合、裁判所は直ちに訴状を却下すべきである。 第1 事案の概要:上告人らが、団体等規正令および解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基づき法務総裁等が行った処分の効力を争い、訴えを…
事件番号: 昭和25(オ)151 / 裁判年月日: 昭和25年7月5日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】占領下におけるポツダム宣言等の実施に係る連合国軍最高司令官の指示に基づいた行政処分の効力については、日本の裁判所は裁判権を有しない。 第1 事案の概要:上告人が、占領下の日本において「団体等規正令」及び「解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令」に基づきなされた法務総裁等の処分の効力を争うため、…
事件番号: 昭和25(オ)150 / 裁判年月日: 昭和25年7月5日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】連合国最高司令官の指示に基づき制定された団体等規正令等に基づく処分は、連合国の占領目的に由来する特別の措置であり、日本の裁判所はこれに対して裁判権を有しない。 第1 事案の概要:上告人は、団体等規正令および解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基づき、法務総裁等が行った処分(団体の解散や財産…