訴訟委任状は、印紙が貼用されていなくても、無効ではない。
印紙の貼用されていない訴訟委任状の効力
民訴法80条1項,印紙税法4条1項7号
判旨
請負契約が中途で解除された場合であっても、当事者間に竣工割合に応じた報酬を支払う旨の合意が成立していれば、仕事の完成前であっても報酬請求権が認められる。
問題の所在(論点)
請負契約において仕事が完成していない場合であっても、契約解除に伴う竣工割合に応じた報酬請求を認めることができるか。
規範
請負契約における報酬は、原則として仕事の完成に対して支払われるものである(民法632条)。しかし、契約自由の原則に基づき、特約をもって中途解約時の精算方法を定めた場合には、その合意が優先される。したがって、契約解除時において既になされた工事の割合に応じた報酬を支払う旨の合意(特約)が認められる場合には、仕事の完成前であっても、当該割合に相応する報酬請求権が発生する。
重要事実
上告人(注文者)と被上告人(請負人)との間で締結された工事請負契約に基づき、被上告人が工事を進行させていた。その後、昭和18年5月、警察署での折衝を経て、残余工事の請負契約を解除する合意がなされた。その際、当事者間において「工事の竣工割合に応じて報酬金を支払う」旨の特約が成立した。当時の工事は、少なくとも全体の6割に達していた。
あてはめ
本件において、原審は証拠に基づき、本件当事者間で残余工事の請負契約を解除し、かつ竣工割合に応じた報酬を支払う旨の契約(特約)が成立した事実を認定している。この特約は、本来の請負契約の報酬支払時期・要件を修正する有効な合意である。また、工事の竣工割合が少なくとも6割に達しているという事実に基づき、当該割合分について報酬請求を認めることは、当事者の合意内容に合致する。したがって、仕事の完成を待たずに報酬請求権を認めた判断に誤りはない。
結論
工事の竣工割合に応じた報酬を支払う旨の特約がある場合には、仕事の完成前であっても、その割合に応じた報酬請求が認められる。
実務上の射程
請負契約の中途解除に伴う出来高報酬の請求根拠として活用できる。本判決は合意(特約)の存在を重視しているが、現代では民法634条の明文化(中途終了時の報酬)により、特約がない場合でも同様の結論を導く基礎的な法理として位置づけられる。
事件番号: 平成21(受)309 / 裁判年月日: 平成22年7月20日 / 結論: 破棄差戻
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