土地の共有者が共同でその土地を使用することは共有土地の利用方法であつて、民法第六六七条の「共同の事業を営むこと」にあたらない。
共有土地を共同で使用するのは民法第六六七条の「共同の事業を営むこと」にあたるか
民法259条,民法667条
判旨
共有地を網干場として共同的に使用する目的があるだけでは、民法上の組合(667条)に基づく組合的共有とは認められず、持分処分や分割請求が制限されることはない。
問題の所在(論点)
土地を特定の目的のために共同利用する合意がある場合に、民法667条の「共同の事業」にあたるとされ、持分処分や分割請求が制限される組合的共有が成立するか。
規範
組合的共有が成立するためには、単に共有物を共同で使用する目的があるだけでは足りず、各共有者が共有土地を出資して「共同の事業を営むことを約した」(民法667条1項)という合意が必要である。共有物の共同的な利用形態は、共有物の利用方法の一態様に過ぎず、直ちに共同事業目的の存在を意味するものではない。
重要事実
漁業権者(D)らが、対象土地を網干場等として使用するために藩から共同で貰い受けた事案。上告人は、本件共有が「網干場として共同的に使用する目的」をもって成立したものであり、民法上の組合に準ずる「組合的共有」に該当すると主張。その結果、共有者は持分を漁業権者の地位と切り離して譲渡できず、共有物分割請求もできないと争った。
あてはめ
本件土地が「網干場等に使用するために共同で貰い受けられた」事実は、共有権設定の経緯に過ぎない。また、共有土地を網干場として共同的に使用することは共有土地の利用方法の一つに過ぎず、これをもって「共同の事業を営むこと」を約したとはいえない。本件において共有者が土地を出資して共同事業を営むことを約した形跡は認められず、組合的共有と認める根拠はない。
結論
本件土地の共有は通常の共有であり、組合的共有ではないため、持分処分制限や分割請求制限に関する上告人の主張は認められない。
実務上の射程
共有物の利用目的(網干場、駐車場等)が共同的であっても、営利性や継続性のある「事業」としての実態がない限り、民法上の組合規定は適用されない。答案上、共有の性質を論ずる際は、単なる利用目的の共通性と、667条の組合契約(共同事業)を峻別する際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和40(オ)632 / 裁判年月日: 昭和41年12月22日 / 結論: 棄却
土地の共有者は、その共有する換地予定地使用権の分割を裁判所に請求することができる。
事件番号: 昭和41(オ)1137 / 裁判年月日: 昭和44年12月18日 / 結論: 棄却
甲が乙丙を被告として提起した共存物分割請求訴訟において、丙が、自己に単独所有権があると主張し、右所有権取得の理由として予備的に取得時効を援用した場合に、乙が、甲の請求原因事実を認め、これによつてみずからの共有持分があることを主張し、その主張が判決によつて認められたときには、右主張は、裁判上の請求に準ずるものとして、丙の…