「口頭弁論調書」と題する書面に続いて編綴され、これと契印により連絡している証人調の顛末を録取した「調書」と題する書面は、口頭弁論調書の一部をなすものであるから、前者に証人某の出頭した旨が記載され、且つ、後者に裁判長が右証人を訊問した旨及びその陳述内容が記載されていれば、たとえ前者に右証人の訊問がなされた旨の記載がなくても、当該口頭弁論期日に右証人の訊問がなされた事実は、口頭弁論調書上明らかにされているものと見るべきである。
口頭弁論調書における証人訊問の事実の記載
民訴法144条,民訴法147条
判旨
口頭弁論調書と題する書面に続き、証人訊問の顛末を録取した別紙の「調書」が契印により連結一体となっている場合、当該「調書」は独立した書面ではなく口頭弁論調書の一部を構成する。
問題の所在(論点)
口頭弁論調書と題する書面自体に証人訊問の事実が明記されていない場合であっても、連結された別紙の訊問調書にその旨の記載があれば、口頭弁論期日における訊問の履践を認めることができるか。口頭弁論調書の一部としての性質が問題となる。
規範
口頭弁論期日における証人訊問の陳述は、民事訴訟法上、口頭弁論調書に記載すべきものである。実務上、閲覧の便宜のために「調書」と題する別紙に訊問結果を録取する慣行があるが、これが口頭弁論調書と題する書面と連結一体化されている場合には、当該別紙は口頭弁論調書の一部をなすものと解される。
重要事実
上告人は、昭和23年3月18日付の口頭弁論調書において証人Dの訊問がなされた旨の記載がないとして、手続の違法を主張した。実際には、同日付の「口頭弁論調書」と題する書面には証人Dが出頭した旨の記載があり、それに続く「調書」と題する書面(証人Dの訊問調書)が契印によって連結一体となって編綴されていた。この別紙「調書」には、裁判長が証人Dを訊問した旨およびその陳述内容が記載されていた。
あてはめ
本件では、「口頭弁論調書」と題する書面と、証人の陳述を録取した「調書」と題する書面が、契印によって連結一体とされている。これは執務上の便宜による形式的な区分にすぎず、両者は別個独立の書面ではなく、全体として一つの口頭弁論調書を形成しているといえる。したがって、連結された「調書」部分に訊問の実施とその内容が録取されている以上、当該口頭弁論期日において適法に証人訊問が行われた事実は明らかである。
結論
本件証人訊問の手続に違法はなく、判決に影響を及ぼすような法則違背も認められない。上告棄却。
実務上の射程
調書の形式的整合性が争われる実務的な局面(調書の証拠力や手続違背)において、複数の書面が一体として「調書」を構成するかを判断する際の基準となる。契印等の連結状態や内容の連続性から実質的に一体性を判断すべきことを示唆している。
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売買は常に時価でなされるとは限らないばかりでなく、特に売買の目的物中に統制価格ある物を含む場合は、統制価格にかかわらずこれより高い時価で売買がなされたものと推定すべきではない。