昭和二二年一月四日勅令第一号(公職に関する就職禁止、退官、退職等に関する勅令)によつて覚書に該当する者としての指定を受けた者とみなされる者(指定を受けた者を含む)が弁護士として選挙訴訟の被告である府県選挙管理委員会の訴訟代理人となつて訴訟行為をすることは、右勅令第一二条第一三条及び第一五条第五項のいずれにも違反しない。
追放覚書該当者が選挙管理委員会委員長の訴訟代理人となることの適否
昭和22年勅令1号(公職に関する就職禁止、退官、退職等に関する勅令)122条,昭和22年勅令1号(公職に関する就職禁止、退官、退職等に関する勅令)123条,昭和22年勅令1号(公職に関する就職禁止、退官、退職等に関する勅令)125条5項
判旨
いわゆる追放令により公職就職を禁止された覚書該当者であっても、弁護士の職は禁止対象の公職に含まれない。そのため、覚書該当者が弁護士として公職者の訴訟代理人となり訴訟行為を行うことは、追放令の禁止規定に抵触せず有効である。
問題の所在(論点)
追放令による覚書該当者が、禁止対象の公職に含まれない弁護士として、公職にある者の訴訟代理人となり訴訟行為を行うことは、追放令の禁止規定に抵触し、その訴訟行為は無効となるか。
規範
公職に関する就職禁止、退官、退職等に関する勅令(昭和22年勅令第1号。以下「追放令」)に基づき公職就職を禁止された「覚書該当者」であっても、法に定められた禁止対象の公職に該当しない職務については、その資格を制限されない。また、弁護士として訴訟代理行為を行うことが、直ちに追放令の禁ずる「公職にある者への支配的影響力の行使」や「禁止場所への出入」に該当すると断ずることはできない。
重要事実
上告人は市会議員選挙無効の訴えを提起したが、被告である埼玉県選挙管理委員長の訴訟代理人となった弁護士(古井喜実)が、追放令に基づく覚書該当者であった。上告人は、覚書該当者が弁護士として公職者の代理人となり訴訟行為をすることは、追放令12条、13条、15条5項に違反し、その訴訟行為は無効であると主張した。
事件番号: 昭和23(オ)66 / 裁判年月日: 昭和23年11月13日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】公職追放該当者である弁護士が、選挙管理委員会委員長の訴訟代理人として訴訟行為を行うことは、弁護士固有の事務の遂行であり、公職追放令が禁ずる公職への関与には当たらない。 第1 事案の概要:参議院議員選挙に落選した上告人が、選挙無効を求めて提訴した。被告(参議院全国選出議員選挙管理委員会委員長)の訴訟…
あてはめ
まず、追放令2条1項が定める公職の範囲に弁護士の職は含まれておらず、他の法令にも覚書該当者の弁護士業務を禁ずる規定はない。次に、弁護士として訴訟代理行為を行うことが、当然に委任者(公職者)に対しその職務執行や政治活動を指示・勧奨し、自己の支配を継続させるような行為(追放令12条)に当たるとはいえない。さらに、訴訟代理は必ずしも追放令が立ち入りを禁ずる場所(13条、15条5項)に出入しなければ職責を果たせないものではない。したがって、単に弁護士として訴訟行為を行うことは追放令に違反しない。
結論
覚書該当者が弁護士として行った訴訟行為は、追放令に違反せず、有効である。上告を棄却する。
実務上の射程
特定の行政上の規制や資格制限が、法律関係の代理権や訴訟行為の効力にまで影響を及ぼすかという局面で活用できる。本判決は、公務員の資格制限が私法的・手続的資格(弁護士等)に直結しないことを示しており、制限規定は厳格に解釈すべきであるという論理に親和性がある。
事件番号: 昭和23(オ)40 / 裁判年月日: 昭和23年7月29日 / 結論: 棄却
一 原判決は、選舉に不正行爲があつた事實についてはこれを認めるに足る證據がないと判示しているが、かゝる事實は選舉の無効を主張する上告人(原告)において立證する責任があるにかゝわらず、原審において上告人は何等の立證をしていないから原判決の認定は少しも違法がない。 二 原判決は、證據によつて「投票凾の外蓋の施錠にその後僅か…
事件番号: 昭和44(行ツ)43 / 裁判年月日: 昭和44年8月29日 / 結論: 棄却
出納責任者の選挙犯罪により、当選人について連座による当選無効の訴訟が提起された場合において、右出納責任者について復権があつても、そのことは、右訴訟の結果に影響を及ぼすものではない。
事件番号: 昭和22(オ)28 / 裁判年月日: 昭和23年5月27日 / 結論: 棄却
從つて猶豫の言渡を取消さるることなくして猶豫期間を經過する迄は刑の執行を受けることがなくなるとは言い得ないから執行猶豫中の者は地方自治法第二〇條にいわゆる「その執行を受けることがなくなるまでの者」に該當するのである。