いわゆるすり替輸出の方法により甲物品に代えて乙物品を船積輸出する目的であるため、甲物品については当初からこれを真実船積輸出する意思がない場合でも、甲物品を保税上屋に搬入し税関から輸出の許可を得た以上、これを船積しないで保税上屋から引き取ることは、関税法第二条第一号にいう「輸入」にあたる。
関税法第二条第一号にいう「輸入」にあたる事例。
関税法2条1号,関税法111条
判旨
有罪判決において、判文と記録の照合により、どの証拠でどの犯罪事実を認めたかが明らかである限り、複数の犯罪事実に対し複数の証拠を一括して掲げても違法ではない。
問題の所在(論点)
有罪判決に付すべき「証拠の標目」(刑事訴訟法335条1項)の表示方法として、複数の犯罪事実に対して複数の証拠を一括して掲示することが許容されるか。
規範
有罪判決において証拠の標目を掲げる際、複数の犯罪事実について複数の証拠を一括して掲げたとしても、判決文と訴訟記録を照らし合わせて、どの証拠によってどの事実を認めたかが客観的に識別可能である限り、刑事訴訟法上の違法とはならない。
重要事実
被告人が関税法違反等の罪に問われた事案において、第一審または控訴審の有罪判決において、判示された個別の犯罪事実それぞれに対し、どの証拠が対応するかを個別に明示せず、数個の犯罪事実に対して数個の証拠を一括して掲示する手法がとられた。
あてはめ
本件においては、各判示事実に対するそれぞれの証拠の標目が識別し得ないわけではなく、判決文と記録を照らし合わせれば、どの証拠がどの事実の認定に用いられたかが判別可能である。したがって、証拠の掲示方法が包括的であっても、被告人の防御や上訴権の行使を妨げるような理由不備の違法があるとはいえない。
結論
本件の証拠掲示方法は適法であり、原判決に訴訟手続の法令違反は認められない。
実務上の射程
実務上、複雑な併合事件等で証拠を一括掲示する場合の許容限度を示す。答案上は、理由不備(刑訴法378条4号)の成否を検討する際、証拠と事実の対応関係が記録上特定可能かという観点から、本判例を根拠に形式的な一括掲示を肯定できる。
事件番号: 昭和40(あ)2776 / 裁判年月日: 昭和41年5月26日 / 結論: 棄却
原判決の是認する第一審判決が、適法に証拠調のされていない所論Aの各供述調書を犯罪事実認定の証拠としているとしても、かような違法は、本件のごとく、右証拠調を経ない証拠を除いてもその余の挙示の証拠により犯罪事実を認定できる場合においては判決破棄の理由とならないこと、当裁判所の累次の判例(昭和二四年(れ)第一九四六号、同二五…
事件番号: 昭和26(あ)2751 / 裁判年月日: 昭和28年5月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】関税法違反等に係る告発において、告発状に告発事由の明示を欠いたとしても、告発書の記載自体によって具体的条項による告発であることが窺えるのであれば、当該告発は適法である。 第1 事案の概要:被告人が関税法違反(密輸出)の罪に問われた事案において、検察官に提出された大蔵事務官名義の告発書には、具体的な…