保護処分決定に対する抗告申立書に抗告の理由は追つて申述する旨を記載しただけで、抗告提起期間内に理由書の提出がないときは、右抗告は少年審判規則第四三条第二項に違背し棄却を免れない。
少年審判規則第四三条第二項にいう抗告趣意の明示を欠く抗告申立書による抗告の適否。
少年審判規則43条2項,少年法32条,少年法33条1項
判旨
少年審判における抗告につき、抗告申立書に抗告理由の記載がない場合は、少年審判規則43条に違反し、当該抗告は不適法となる。
問題の所在(論点)
少年審判規則43条に反し、抗告理由の記載がない抗告申立書に基づく抗告は適法といえるか。抗告手続における理由記載の要否が問題となる。
規範
少年審判規則43条の規定に基づき、抗告の申立てをなすには、抗告状(抗告申立書)にその理由を簡潔に記載しなければならない。この記載を欠く抗告は、手続上の規定に違反するものとして、不適法な申立てと判断される。
重要事実
再抗告人は、少年審判の決定に対して抗告を申し立てたが、提出された抗告申立書には抗告理由が記載されていなかった。原審はこの抗告を不適法として棄却したため、再抗告人はこれを憲法違反である等と主張して再抗告に至った。
事件番号: 昭和28(し)14 / 裁判年月日: 昭和28年5月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に規定する再抗告事由に関し、実質的な法令違反を憲法違反と主張する再抗告は不適法であり、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:附添人弁護士が、家庭裁判所の決定を支持した抗告裁判所の決定に対し、憲法違反を主張して最高裁判所へ再抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):…
あてはめ
本件において、再抗告人が提出した抗告申立書には抗告理由の記載が全く存在しなかった。これは、抗告の理由を簡潔に記載すべきことを定めた少年審判規則43条の形式的要件を欠くものである。したがって、原審が当該申立てを少年審判規則上の手続違背として不適法と判断したことに誤りはない。再抗告人が主張する違憲の論点についても、実質的には規則違反という正当な判断を独自の見解で非難するに過ぎないといえる。
結論
抗告申立書に理由の記載がない抗告は不適法であり、原審の棄却決定は正当である。本件再抗告を棄却する。
実務上の射程
少年事件の不服申立手続において、規則に定められた申立理由の記載は不可欠な形式的要件であることを示す。司法試験等の実務的論点としては、刑事訴訟法等の不服申立手続との対比や、手続的適正の観点から参照されるべき判例である。
事件番号: 昭和55(し)111 / 裁判年月日: 昭和55年9月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項の抗告理由において、憲法違反を主張する場合には憲法条項の具体的摘示が必要であり、また単なる法令違反や事実誤認の主張は同条所定の抗告理由に当たらない。 第1 事案の概要:抗告人が、少年法35条1項に基づき最高裁判所に対して抗告(再抗告)を提起した事案。抗告人は多岐にわたる違憲の主張を…
事件番号: 昭和28(し)82 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に基づく再抗告は、同項に規定された事由がある場合に限り許容される。憲法違反を主張していても、実質的に原決定の不当(訴訟法違反)をいうにすぎない場合は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:申立人Aは、家庭裁判所の決定に対する抗告審の判断を不服として再抗告を申し立てた。…
事件番号: 昭和60(し)3 / 裁判年月日: 昭和60年5月14日 / 結論: 棄却
少年法二三条二項による保護処分に付さない旨の決定に対しては、それが非行事実の認定を明示したものであつても、抗告をすることができない。
事件番号: 昭和43(し)5 / 裁判年月日: 昭和43年1月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条に基づく再抗告において、実質的に単なる法令違反を主張するものや、事案の異なる判例の引用による判例違反の主張は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、少年審判の決定に対し再抗告がなされた事案である。再抗告人は、第一点として憲法違反を主張し、第二点として判例違反を主張…