刑訴第四二九条による請求(いわゆる準抗告)についてした決定に対しては、高裁に抗告をすることはできない。
準抗告についてした決定と抗告
刑訴法429條,刑訴法419條,刑訴法432條,刑訴法427條
判旨
刑事訴訟法429条に基づく裁判官の裁判に対する請求(準抗告)についての決定に対し、高等裁判所へ一般抗告をすることはできない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法429条による請求(いわゆる準抗告)についてした決定に対して、同法420条の抗告(一般抗告)をすることができるか。
規範
刑事訴訟法上、裁判所の決定に対して不服がある場合は420条以下の抗告によるが、同法429条に基づく準抗告の裁判に対しては、別途特別の規定がない限り、さらに420条の抗告(一般抗告)をすることは許されない。
重要事実
申立人は、裁判官が行った勾留ないし勾留理由開示手続等に関し、刑事訴訟法429条による準抗告を申し立てた。これに対し、原決定(地方裁判所)は準抗告についての決定を下したが、申立人はこの決定を不服として高等裁判所に一般抗告を行った。さらに、当該一般抗告を不適法とした決定に対し、最高裁判所へ特別抗告を申し立てた事案である。
事件番号: 昭和29(し)51 / 裁判年月日: 昭和29年9月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所がなした再審請求棄却の決定に対し、刑事訴訟法428条2項に基づく異議の申立てを経ることなく直接特別抗告を申し立てることは、同法433条により許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、強盗致死被告事件の確定判決(福岡高等裁判所)に対し再審請求を行った。これに対し、福岡高等裁判所が再審請求を…
あてはめ
刑事訴訟法432条および427条の規定に照らせば、準抗告の申立てに対する決定は、その性質上、直ちに上訴(一般抗告)の対象となるものではない。本件において原決定は、準抗告についての決定に対して高等裁判所に抗告することはできない旨を判示しており、この判断は法文の解釈として正当である。また、申立人の主張は勾留手続等の違憲をいうのみで、原決定自体の憲法違反を適法に基礎付けるものではない。
結論
準抗告についての決定に対して一般抗告をすることはできず、これに反する抗告は不適法である。
実務上の射程
準抗告に対する不服申立ての限界を明示したものであり、実務上、準抗告後の救済手段は(憲法違反または判例相反がある場合の)特別抗告(刑訴法433条)に限られることを確認する際に用いる。
事件番号: 昭和28(し)49 / 裁判年月日: 昭和31年9月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所のした再審請求棄却決定に対し最高裁判所へ抗告を申し立てることは、法律に特別の規定がある場合に限り許される。特別抗告として解釈する場合であっても、法定の提起期間を徒過し、かつ抗告理由が法定の事由に該当しないときは、当該申立ては不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、昭和28年4月30日…
事件番号: 昭和29(し)28 / 裁判年月日: 昭和29年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権回復請求を棄却した決定は、刑事訴訟法433条1項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」には該当せず、特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:抗告人は、名古屋高等裁判所が昭和29年5月21日に行った上訴権回復請求を棄却する決定に対し、最高裁判所に特別抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和49(し)77 / 裁判年月日: 昭和49年9月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告裁判所として下した決定に対しては再抗告が許されないため、刑事訴訟法428条に基づく異議の申立ては認められない。 第1 事案の概要:抗告人が、高等裁判所が抗告裁判所としてした決定に対し、具体的な憲法違反の主張を欠く特別抗告(刑事訴訟法433条)を申し立てた事案。その手続過程において、…
事件番号: 昭和27(し)13 / 裁判年月日: 昭和28年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告は、同法により不服を申し立てることができない決定等に対してのみ許される。高等裁判所がなした上訴権回復請求棄却等の決定に対しては、本来同法428条により異議の申立てをなすべきであり、その手続を経ずに直接特別抗告をなすことはできない。 第1 事案の概要:被告人Aは、銃…