昭和二五年京都市条例第六二号、集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例は憲法第二一条に違反しない。
昭和二五年京都市条例第六二号、集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例の合憲性。
昭和25年京都市条例62号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例,憲法21条
判旨
集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例において許可制を定めていても、不許可とできる場合が厳に制限され、実質的に届出制と異ならない場合には、憲法21条1項に違反しない。
問題の所在(論点)
京都市公安条例が集団行動について「許可」を要すると定め、事前規制を敷いていることは、憲法21条1項の表現の自由(集会の自由)を侵害し違憲ではないか。
規範
集団行動に対する事前規制が憲法21条1項に適合するか否かは、その規制が実質的に許可制(一般的禁止を解除する形式)といえるか、あるいは届出制(単なる事前通告)に近い運用を予定しているかによって判断される。具体的には、公安委員会に不許可とする裁量の余地が極めて限定されており、公共の安寧を保持する上で直接危険を及ぼすと明らかに認められる場合を除き許可を義務づけているのであれば、憲法21条に反しない。
重要事実
被告人は、京都市公安条例が道路等での集会や集団示威運動について公安委員会の許可を要すると定めている点について、憲法21条が保障する表現の自由を侵害し違憲であると主張した。当該条例1条は許可制を採るが、3条では「公共の安寧を保持する上に直接危険を及ぼすと明らかに認められる場合の外は、これを許可しなければならない」と規定していた。
事件番号: 昭和28(あ)4841 / 裁判年月日: 昭和35年7月20日 / 結論: 棄却
昭和二五年広島市条例第三二号集団行進及び集団示威運動に関する条例は、憲法第二一条、第一一条、第一三条に違反しない。
あてはめ
本件条例は文面上は「許可制」を採用している。しかし、条例3条によれば、公安委員会は特定の危険が明らかに認められる場合を除き、許可を与えることが義務づけられている。このように不許可にできる場合が厳格に制限されている以上、本条例の運用は実質において「届出制」と異なるところがないと解される。したがって、表現の自由に対する過度な制限には当たらない。
結論
京都市公安条例は実質的に届出制と評価できるため、憲法21条に違反せず合憲である。
実務上の射程
本判決は東京都公安条例判決(最大判昭35.7.20)の法理を再確認したものである。答案上は、表現の自由の事前規制について「形式は許可制であっても、不許可事由が限定的で行政庁の裁量が抑制されている場合には、実質的な届出制として合憲性を肯定する」という論理構成で活用する。
事件番号: 昭和47(あ)2146 / 裁判年月日: 昭和50年9月30日 / 結論: 棄却
一 道路交通等保全に関する条例(昭和二四年秋田県条例第二五号)四条三項による許可条件の付与は、現に切迫した公衆に対する危害を防止するためばかりでなく、公衆に対する危害を予防するため公衆に対する危害に発展する可能性のある行為を禁止、制限する場合にも許される。 二 道路交通等保全に関する条例(昭和二四年秋田県条例第二五号)…
事件番号: 昭和35(あ)112 / 裁判年月日: 昭和35年7月20日 / 結論: 破棄差戻
昭和二五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例は憲法第二一条に違反しない。