刑訴第四三五条第六号後段にいわゆる「原判決において認められた罪より軽い罪を認めるべきとき」とは、原判決が認めた犯罪よりもその法定刑の軽い他の犯罪を認めるべきときをいうのであつて、被告人が心神耗弱者であると認める場合はこれにあたらない。
刑訴第四三五条第六号後段にいわゆる「原判決において認められた罪より軽い罪を認めるべきとき」の意味と心神耗弱
刑訴法435条6号,刑法39条2項
判旨
憲法37条2項は裁判所に対し、被告人が申請した証人を不必要と思われる者まで全て喚問する義務を課すものではない。また、刑訴法435条6号にいう「原判決において認められた罪より軽い罪」とは、法定刑がより軽い他の犯罪を指す。
問題の所在(論点)
1. 被告人が申請した証人の採用を却下することが憲法37条2項に違反するか。2. 刑事訴訟法435条6号の「原判決において認められた罪より軽い罪」の意義。
規範
1. 憲法37条2項の証人尋問権は、裁判所に対し、被告人側の申請した証人のうち不必要と思われる者まで尽く喚問しなければならない義務を認めたものではない。2. 刑訴法435条6号にいう「原判決において認められた罪より軽い罪」とは、原判決が認めた犯罪よりも、その法定刑の軽い他の犯罪をいう。
重要事実
被告人が上告審において、第一審・控訴審の判断に対し、(1)証人尋問の申請を却下したことが憲法37条2項に違反すること、(2)再審の請求をすることができる事由(刑訴法435条6号)があること、(3)その他訴訟法違反や事実誤認、量刑不当があることを主張して争った事案である。
あてはめ
1. 憲法37条2項の趣旨に照らせば、証人採用の必要性は裁判所の合理的な裁量に委ねられている。本件において不必要と判断された証人を喚問しなかったことは、同条に違反しない。2. 再審事由の主張についても、被告人が依拠する事由は法定刑が軽い他の犯罪を指すものとは認められないため、刑訴法435条6号の再審事由には当たらない。3. その他の上告趣意についても、単なる訴訟法違反、事実誤認、量刑不当にすぎず、刑訴法405条の上告理由に該当しない。
結論
本件上告は棄却される。憲法37条2項違反の主張は当たらない。また、主張された事由は刑訴法435条6号の再審事由にも該当しない。
実務上の射程
憲法37条2項に基づく証人喚問権が絶対的なものではなく、裁判所に必要性の判断権限があることを示す判例として、訴訟指揮の適法性を論じる際に有用である。また、再審事由における「軽い罪」の判断基準が法定刑比較であることを明示しており、再審請求の可否を検討する際の基礎となる。
事件番号: 昭和30(あ)1303 / 裁判年月日: 昭和30年10月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審において、裁判所が不必要と認めて事実の取調べを行わず、証人尋問の請求を却下したとしても、直ちに憲法37条2項に違反するものではない。 第1 事案の概要:被告人が控訴審において証人2名の喚問を申請したが、裁判所はこれを不必要として却下した。なお、当該証人両名は第一審において証人として喚問を受け…