一 公判調書の末尾に裁判所書記官補A某の官名の記載並びにその署名捺印がある外、他にその公判期日に立会した裁判所書記の官氏名の記載がない場合には、右A書記官補が裁判所書記として同公判期日に立会したものと認めることができる。 二 公判調書の末尾に裁判所書記官補A某の官名の記載並びにその署名捺印がある場合には、たとえその公判期日に立会した裁判所書記の官氏名につき特別の記載がなくても、その公判調書は旧刑訴第六〇条第二項第二号の要件も欠くものとはいえない。
一 公判調書の末尾に裁判所書記官補の官名の記載並びにその署名捺印の存することと公判期日に立会した裁判所書記 二 公判調書の末尾に裁判所書記官補の官名の記載並びにその署名捺印することと旧刑訴第六〇条第二項第二号
旧刑訴法60条2項2号,旧刑訴法63条,旧刑訴法329条
判旨
被告人の自白が存在する場合、共同審理を受けていない単なる共犯者の供述は、被告人の自白を補強する証拠として独立した完全な証拠力を有する。
問題の所在(論点)
共同審理を受けていない共犯者の供述は、憲法38条3項にいう「被告人の自白」の補強証拠となり得るか、あるいはそれ自体が自白の一部として扱われるべきかが問題となった。
規範
憲法38条3項が禁止する「自白のみによる有罪判決」における補強証拠の要件に関して、共同審理を経ていない単なる共犯者の供述は、それ自体が独立した証拠能力を有し、被告人の自白を補強するに足りる完全な証拠力を備えるものと解する。
重要事実
被告人は収賄罪等の事実について起訴され、第一審および控訴審で有罪判決を受けた。弁護人は、判示の金員受領について、社交上の寄附や職務に関連しない嘱託料、あるいは俳画の対価であると主張して事実誤認を訴えた。さらに、被告人の自白を補強する証拠として共犯者の供述が用いられたことに対し、これは被告人の自白を唯一の証拠として有罪としたものであり、憲法38条3項に違反すると主張して上告した。
あてはめ
最高裁は、先行する大法廷判決(昭和24年5月18日)を引用し、共同審理を受けていない単なる共犯者の供述は、被告人自身の供述(自白)とは別個の独立した証拠であると判断した。本件において、原判決が被告人の自白に加えて当該共犯者の供述を証拠として採用している以上、被告人の自白のみを唯一の証拠として有罪としたことにはならない。したがって、憲法38条3項の違反という前提を欠くものである。
結論
共同審理を受けていない共犯者の供述は被告人の自白を補強する証拠として十分な証拠力を有するため、憲法38条3項違反には当たらず、上告は棄却された。
実務上の射程
自白の補強証拠の適格性に関する基本判例である。共犯者の供述が「自白」に含まれないことを示し、特に別件で起訴された共犯者や共同被告人でない者の供述の証拠能力を認める際の基準となる。答案上は、補強証拠の必要性の趣旨(誤判防止・自白の偏重防止)に触れつつ、共犯者供述の独立性を肯定する論理として活用する。
事件番号: 昭和25(れ)755 / 裁判年月日: 昭和26年11月28日 / 結論: 棄却
憲法九条は、将来に対し戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を宣言したものであつて、戦時刑事特別法廃止法律が過去の戦時中の行爲に関して当時施行されて居た戦時刑事特別法の適用ある旨を規定したことは憲法九条の何等の関りもあるものではない。されば本件過去の戦時中の収賄行為について戦時刑事特別法を適用した原判決は何等違法はない…