道路交通取締令(昭和二四年総理府令第二七号により改正されたもの)第三五条第二項の意義は、乗車のために設備された場所以外に乗車をさせることを禁止し、または積載のために設備された場所以外に積載することを禁止する趣旨と解すべきものではなく、乗車および積載のために設備された場所以外に乗車をさせることを禁止し、または乗車および積載のために設備された場所以外に積載をすることを禁止する要旨と解すべきである。
道路交通取締令(昭和二四年総理府令第二七号により改正されたもの)第三五条第二項の意義
道路交通取締令(昭和24年総理府令第27号により改正されたもの)35条,道路交通取締令(昭和24年総理府令第27号により改正されたもの)54条16号,道路交通取締法施行令(昭和28年8月31日政令第261号)68条13号,道路交通取締法施行令(昭和28年8月31日政令第261号)38条,道路交通取締法施行令(昭和28年8月31日政令第261号)42条1項,道路交通取締法施行令(昭和28年8月31日政令第261号)附則1項,道路交通取締法施行令(昭和28年8月31日政令第261号)附則2項,道路交通取締法施行規則(昭和28年8月31日総理府令第54号)附則1項,道路交通取締法施行規則(昭和28年8月31日総理府令第54号)附則2項
判旨
道路交通取締令(当時)35条2項は、乗車のために設備された場所以外に乗車させること、または積載のために設備された場所以外に積載することを禁止する趣旨であり、積載のために設備された場所(荷台)に人を乗車させることは同条項に違反しない。
問題の所在(論点)
旧道路交通取締令35条2項が禁止する「乗車及び積載のために設備された場所以外」への乗車について、積載用の設備(荷台)に人を乗車させる行為が同条項の構成要件に該当するか。
規範
「乗車及び積載のために設備された場所」以外の場所への乗車・積載を禁止する規定は、乗車設備に乗車させることはもちろん、積載設備に乗車させることをも禁止するものではないと解すべきである。また、積載設備に乗車させることが他の法条に抵触する可能性は否定されないが、同条2項違反の罪は成立しない。
重要事実
被告人は、自転車の運転にあたり、本来は乗車設備ではないものの積載用として設備された「後部荷台」に人を乗車させて走行した。一審および二審は、これが当時の道路交通取締令35条2項(現行の道路交通法等における乗車方法制限に相当)に違反するとして有罪判決を下していた。
あてはめ
同条2項の文言に加え、同条4項において「許可を受ければ乗車及び積載のために設備された場所以外に積載できる」と規定されていることから、乗車設備への積載が許可不要で禁止されていないのと同様、積載設備への乗車も同条2項では禁止されていない。被告人が人を乗車させた自転車の後部荷台は「積載のために設備された場所」であるため、同条2項が禁じる「場所以外」には該当せず、構成要件を充足しない。
結論
被告人が自転車の荷台に人を乗車させた行為は、道路交通取締令35条2項に違反しない。したがって、原判決を破棄し、被告人は無罪とされるべきである。
実務上の射程
罪刑法定主義の観点から、禁止規定の文言を厳格に解釈し、反対解釈や関連条項(許可制)との整合性によって構成要件の範囲を確定させる手法を示している。行政取締法規の解釈において、設備の目的(乗車用か積載用か)にかかわらず「設備された場所」であれば当該条項の処罰対象外とする限定解釈を行う際の先例となる。
事件番号: 昭和31(あ)38 / 裁判年月日: 昭和33年9月10日 / 結論: 棄却
法律により犯罪者に対し自由刑の一種として禁錮刑を定めることは憲法第二七条第一項に牴触するものではない。
事件番号: 昭和32(あ)1602 / 裁判年月日: 昭和35年9月27日 / 結論: 棄却
一 所論「やむを得ない場合」に関して原判決が支持した第一審判決の解釈は正当である。 二 (第一審判決の要旨)被告人並びに弁護人は被告人操縦の乗用自動車と同方向の北行車道上にはその前方に貨物自動車先行しその右側を追越さんと欲し警音器を鳴らすも避譲せずして進路を妨げ、しかも右斜前方には約五〇米を距てて南行車道内を南進し来る…
事件番号: 昭和34(あ)311 / 裁判年月日: 昭和37年4月4日 / 結論: 破棄自判
旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条による第二種原動機付自転車の二人乗の禁止が同条の改正により廃止されても、その廃止前にこれに違反した行為について、同施行令第七二条第三号の刑の廃止があつたものということはできない。
事件番号: 昭和34(あ)125 / 裁判年月日: 昭和37年4月4日 / 結論: 棄却
旧道路交通取締法施行令第四一条に基づく旧新潟県道路交通取締規則(昭和三一年新潟県公安委員会規則第一号)第八条による第二種原動機付自転車の二人乗の禁止が同条の改正により廃止されても、その廃止前にこれに違反した行為について、同施行令第七二条第三号の刑の廃止があつたものということはできない。