弁論終結後判決言渡のための公判期日に適法な召喚を受けながら被告人は出頭しなかつたので更に期日を定めて召喚したのに被告人が正当な理由なくして出頭しなかつたときは、裁判所は右再度の言渡期日に弁論を再開し被告人が不出頭のまま弁論を行い即日結審したからといつて旧刑訴法第四一〇条第八号に違反しない。
控訴審の判決言渡期日に被告人が二回以上正当の理由なく不出頭のまま終結した弁論を再開し弁論を行つた上即日結審したことは違法か
旧刑訴法404条,旧刑訴法410条8号
判旨
被告人が適式の召喚を受けながら正当な理由なく二回以上公判期日に出頭しない場合、裁判所は被告人の陳述を聴かずに判決をすることができる。また、拘禁中の被告人が公判外の証拠調べに立ち会えなかったとしても、弁護人に立会いの機会が与えられ、かつ被告人に調書の閲覧・異議申立の機会が保障されているならば、憲法37条2項に違反しない。
問題の所在(論点)
1. 弁論再開後の公判期日に被告人が正当な理由なく重畳して欠席した場合に、被告人の陳述を聴かずに判決を言い渡すことができるか。 2. 拘禁中の被告人が公判外の証拠調べ(検証・証人尋問)に立ち会えなかった場合、被告人の立会権や証人審問権(憲法37条2項)を侵害し違憲・違法となるか。
規範
1. 控訴審において被告人が適式の召喚を受け、正当な理由なく二回以上にわたって公判期日に出頭しないときは、裁判所は被告人の陳述を聴かずに判決をすることが可能である(旧刑訴法404条)。これは弁論再開後の手続においても同様である。 2. 公判廷外の証拠調べ(検証・証人尋問)における被告人の立会権については、拘禁等の事情がある場合でも、弁護人に立会いの機会が与えられており、かつ事後に被告人が証拠内容を確認し、再尋問等の異議を申し立てる機会が保障されているならば、適法であり憲法37条2項にも違反しない。
重要事実
被告人は殺人等の罪で起訴され、控訴審において第7回公判で一旦弁論が終結した。判決言渡期日として指定された第8回、および続行された第9回の各公判期日に、被告人は適正な召喚を受けながら正当な理由なく欠席した。裁判所は第10回公判期日に弁論を再開し、弁護人立会いのもとで最終陳述等を行わせた上で即日結審し、被告人欠席のまま判決を言い渡した。また、公判外で行われた検証および証人尋問に関し、当時拘禁中であった被告人は立ち会えなかったが、弁護人には告知・立会いの機会が与えられていた。裁判所は、後の公判で被告人に対し、当該証拠調べの結果(調書)に基づき再尋問の請求ができる旨を告知したが、被告人はこれを行わなかった。
あてはめ
1. 被告人は第8回から第10回までの各期日に正当な理由なく出頭せず、出頭義務に違反した。第10回期日に弁論が再開され実質的な審理が行われたが、弁護人が立会って最終陳述を行っている以上、被告人不出頭のまま審判をなし判決を言い渡すことは、旧刑訴法404条の規定に基づき許容される。 2. 証拠調べ期日は弁護人に事前に告知されており、立会いの機会は十分に与えられていた(弁護人は自己の都合で欠席)。また、公判外の証言は調書として証拠となる性質のものであり、裁判長が被告人に対し再尋問の請求権を告知したにもかかわらず被告人がこれを行使しなかった以上、防御権の侵害はなく、憲法37条2項にも反しない。
結論
被告人が正当な理由なく二回以上欠席した以上、被告人の陳述なしに判決を行うことは適法である。また、弁護人に立会いの機会を与え、被告人に事後の防御機会を保障している以上、被告人が証拠調べに立ち会わなかったことは違法ではない。
実務上の射程
被告人の不出頭による判決手続(現在の刑訴法286条の2等に関連)および、公判外の証拠調べにおける立会権の限界を画する。特に、身体拘束中の被告人が物理的に立ち会えない場合でも、弁護人の関与と事後の不服申立機会があれば手続保障として足りるという、実務上の権利保障の範囲を示す射程を持つ。
事件番号: 昭和26(れ)1930 / 裁判年月日: 昭和27年2月14日 / 結論: 棄却
被告人が適法な召喚を受けながら医師A作成の、出頭必ずしも不可能とはなつていない診断書を提出して出頭しなかつたときは、正当の事由なくして出頭しなかつた場合に該当する。
事件番号: 昭和27(あ)3156 / 裁判年月日: 昭和29年4月15日 / 結論: 棄却
一 鑑定の目的物を破壊するについて、刑訴第一六八条所定の裁判所の許可を受けなかつた場合でも、右処置に対し当該強制処分の対象となつた者から異議がなされていない以上、その鑑定の証拠能力を否定すべき理由はない。 二 軽犯罪法第一条第一九号は、正当の理由なくして変死体又は死胎の現場を変える行為を取り締ろうとする法意であつて、故…