少年法第五二條は、裁判時における少年に對しその適用あるものであることその前條の規定と對比することにより明白である。
少年法第五二條が裁判時における少年に對して適用の有無
少年法52條,少年法53條
判旨
少年法52条(現行法52条1項)に基づく不定期刑の言渡しは、判決時において少年である者に対して適用されるものであり、犯行時に少年であっても判決時に成人となっている者には適用されない。
問題の所在(論点)
犯行時に少年であった者が、裁判時(判決時)に成人となっている場合、少年法52条に基づき不定期刑を言い渡すことができるか。同条の適用対象となる「少年」の基準時点が問題となる。
規範
少年法52条(不定期刑)の規定は、同法51条(死刑・無期刑の緩和)の規定との対比から明らかなように、「裁判時において少年である者」に対して適用される規範である。したがって、犯行時に少年であっても、判決時(裁判時)に既に20歳に達している者に対しては、不定期刑を言い渡すことはできない。
重要事実
被告人は犯行当時、少年法上の少年に該当していた。しかし、本件の判決時(裁判時)においては、被告人は既に20歳に達し、成人となっていた。被告人側は、犯行時に少年であったことを理由に不定期刑の適用(少年法52条)を主張して上告した。
事件番号: 昭和23(れ)1538 / 裁判年月日: 昭和24年6月29日 / 結論: 棄却
一 法令違反の有無は原判決言渡の時の事實を基準として決定すべきもので、その後に生じた事實までも斟酌して決定すべきものではない。このことは舊少年法第八條を適用すべきか否かについても同様である。本件においては、被告人は原判決言渡當時十八歳未満であつたことは明白であるから、原判決が舊少年法第八條を適用して不定期刑を言渡したの…
あてはめ
少年法52条は、同法51条が「罪を犯したとき十八歳未満」と明記しているのと異なり、裁判の執行に関わる保護的措置として規定されている。本件被告人は、判決時において既に20歳に達しており、少年法の定義する「少年」には該当しない。条文構造上の対比から、52条の適用は判決時の属性に従うべきであるから、成人となった被告人に不定期刑を適用する余地はない。
結論
少年法52条は裁判時の少年に対して適用されるものであるため、判決時に成人である被告人に対し、不定期刑を言い渡すことはできない。
実務上の射程
少年法における「行為時」基準と「裁判時」基準の区別を明確にする射程を有する。特に、死刑・無期刑の緩和(51条)が行為時を基準とするのに対し、不定期刑(52条)が裁判時を基準とすることは、刑事実務・答案作成上、少年の年齢計算と適用条文の選択において極めて重要な区別となる。
事件番号: 昭和25(れ)415 / 裁判年月日: 昭和25年6月1日 / 結論: 棄却
少年法第五二條にいわゆる少年とは事實審裁判所の判決時における少年を指すものである。