銃砲火薬類取締法施行規則第四五条の規定は、昭和二二年法律第七二号「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」第一条により昭和二三年一月一日以降は国法としての効力を失つたものである。
銃砲火薬類取締法施行規則第四五条と昭和二二年法律第七二号「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」第一条
憲法98条1項,銃砲火薬類取締法(明治43年法律53号)14条,銃砲火薬類取締法施行規則(明治44年勅令16号)22条,銃砲火薬類取締法施行規則(明治44年勅令16号)45条,日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律(昭和22年法律72号)1条,命令ノ条項違反ニ関スル罰則ノ件(明治23年法律84号)
判旨
犯罪後の法令により罰則の根拠となる規定が失効した場合、刑事訴訟法337条2号(旧刑訴法363条2号)にいう「犯罪後の刑の廃止」に該当し、被告人は免訴されるべきである。
問題の所在(論点)
罰則の根拠となっていた命令の規定が犯罪後に効力を失った場合、刑事訴訟法上の「犯罪後の刑の廃止」として免訴事由に該当するか。
規範
罰則を定めた命令(施行規則等)が、法律の規定や期限の経過によって国法としての効力を失った場合、実質的な処罰根拠が消滅するため、「犯罪後の刑の廃止」にあたる。
重要事実
被告人AおよびBは、銃砲火薬類取締法施行規則22条および45条に基づき起訴・処断された。しかし、同規則45条は「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力に関する法律」1条により、昭和23年1月1日以降、国法としての効力を喪失していた。原審はこの失効した規則を適用して被告人らを処断した。
事件番号: 昭和26(れ)4 / 裁判年月日: 昭和27年12月24日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】法律の失効により処罰規定が効力を失った場合、刑法6条の「犯罪後の法律により刑の変更があったとき」に該当し、刑事訴訟法に基づき免訴を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、昭和21年8月頃から翌22年11月までの間、許可を受けずにダイナマイト等の爆発物を自宅付近に隠匿所持した。原審は、これ…
あてはめ
本件で適用された銃砲火薬類取締法施行規則45条は、日本国憲法施行に伴う命令の整理に関する法律によって、昭和23年1月1日以降は既に失効している。このように罰則の根拠が事後的に消滅した事態は、刑罰権を将来に向かって消滅させる「刑の廃止」そのものであるといえる。したがって、効力を失った後の規定を適用して被告人を処罰することは許されない。
結論
本件は犯罪後に刑の廃止があった場合に該当するため、原判決を破棄し、被告人両名を免訴する。
実務上の射程
法改正による罰則の撤廃だけでなく、本件のような命令の期限切れや失効による処罰根拠の消滅も「刑の廃止」に含まれる。実務上、限時法の失効や委任命令の有効性が問題となる場面で免訴を導くための基礎となる判断である。
事件番号: 昭和24(れ)1257 / 裁判年月日: 昭和27年12月24日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】犯罪後の法令により罰条が失効した場合には、刑事訴訟法第337条第2号(旧刑訴法第363条第2号)にいう「犯罪後の法令により刑が廃止されたとき」に該当し、被告人を免訴すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、昭和22年8月22日頃、法定の資格がないにもかかわらず自宅でダイナマイト19本および緩燃導…
事件番号: 昭和25(れ)723 / 裁判年月日: 昭和27年12月24日 / 結論: その他
鉄砲火薬類取締法施行規則第四五条の規定は、昭和二二年法律第七二号「日本告憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」第一条により昭和二三年一月一日以降は国法としての効力を失つたものである。
事件番号: 昭和24(れ)1128 / 裁判年月日: 昭和29年9月8日 / 結論: 棄却
原審で同一法令違反の罪につき共同審理のもとに有罪判決を受け、ともに上告の申立をした共同被告人の一人が、旧刑訴第四二三条所定の期間内に上告趣意書を提出しなかつたときは、他の上告申立人については既に国法としての効力を失つた右法令を適用した違法があることを理由として原判決を破棄すべき場合でも、右上告趣意書を提出しなかつた上告…
事件番号: 昭和27(あ)2731 / 裁判年月日: 昭和29年7月19日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】平和条約の発効により失効したポツダム宣言受諾に伴う政令の違反行為については、刑事訴訟法337条2号にいう「犯罪後の法令により刑が廃止されたとき」に該当し、被告人を免訴すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、昭和25年政令第325号(占領目的阻害行為処罰令)に違反する行為、および銃砲刀剣類等所持…