不動産競売手続において再競売が実施された場合には、再競売の競落期日の終りに至るまで配当要求をすることができる。
不動産競売手続において再競売が実施された場合と配当要求の終期
民訴法646条2項,民訴法688条
判旨
不動産競売において再競売が実施された場合、配当要求は、手続の遅延を来さない限り、再競売の競落期日の終わりに至るまで行うことができる。
問題の所在(論点)
不動産競売手続において、代金不納付により再競売が実施された場合、配当要求をすることができる終期はいつまでか(旧民訴法646条2項、現行民事執行法上の配当要求の終期に関連)。
規範
配当要求の終期(旧民訴法646条2項)に関する規定の趣旨は、多数の利害関係人に権利主張の機会を与えることと、手続の不当な遅延を防止することの調和にある。再競売は前の競落の解除に伴う手続の再開であり、格別の遅延を来さない限り、再競売の競落期日の終了時まで配当要求を認めるのが相当である。
重要事実
不動産競売手続において、一度目の競落人が代金支払義務を履行しなかったため、前の競落が解除され、債務者の所有に復帰した不動産に対して再競売が実施された。この再競売の手続過程において、再競売の競落期日の終了時までに配当要求がなされたが、その適法性が争点となった。
あてはめ
再競売は、競落人の債務不履行により前の競落が当然に解除され、債務者の所有に復帰した不動産に対して手続を再開するものである。このような性質に鑑みれば、再競売の実施時に配当要求を認めたとしても、既に開始されている競売手続を格別に遅延させるものとはいえない。したがって、利害関係人の権利主張の機会を確保すべきとする法の趣旨が優先されるべきである。
結論
再競売が実施された場合には、再競売の競落期日の終わりに至るまで配当要求をすることができる。
実務上の射程
本判決は旧民訴法下の判例であるが、現行の民事執行法においても配当要求の終期(執行法49条1項等)の趣旨を検討する際の基礎となる。手続の遅延防止と債権者の平等のバランスを考慮する際の解釈指針として活用できる。
事件番号: 昭和58(オ)1044 / 裁判年月日: 昭和59年12月20日 / 結論: 破棄自判
債権者甲が債務者乙から根抵当権の設定を受けた場合であつても、右の根抵当権につき他人名義で登記を有するにすぎないときは、甲は、乙が丙に対し当該不動産を譲渡し所有権移転登記を了したのちに第三者が当該不動産につき申し立てた不動産競売事件において、右の根抵当権を主張して配当を受けることはできない。