宅地に対する抵当権の効力は、特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時右宅地の従物であつた石燈籠および庭石にも及び、抵当権の設定登記による対抗力は、右従物についても生ずる。
宅地上の従物と抵当権の効力
民法87条,民法177条,民法370条
判旨
不動産に対する抵当権の効力は、設定当時に存在した従物にも及び、特段の事情のない限り、不動産への抵当権設定登記をもって従物についても対抗力を有する。
問題の所在(論点)
不動産に設定された根抵当権の効力が、その構成部分および従物に及ぶか。また、不動産の登記によって従物についても対抗力を備えることができるか。
規範
抵当権の効力は、抵当不動産の「付加して一体となった物」(民法370条)として、その構成部分のみならず、設定当時に存在した従物にも及ぶ。また、不動産登記があれば、別段の合意等の特段の事情がない限り、従物についても第三者に対する対抗力を有する。
重要事実
本件宅地には、石灯籠、取り外し可能な庭石(従物)、および植木、取り外し困難な庭石(構成部分)が存在していた。これらは根抵当権設定当時、宅地の常用に供するため付属せしめられたものであった。その後、執行債権者である上告人がこれらの物件に対して強制執行を試みたため、根抵当権者である被上告人が執行の排除を求めた。
事件番号: 昭和44(オ)458 / 裁判年月日: 昭和47年5月25日 / 結論: 棄却
売主がb港において売買の目的物たる木材を引き渡すべき義務を負担する種類売買においては、木材が積出港たるa港の土場に集積されたからといつて、売買の目的物が右木材に特定されたものということはできない。
あてはめ
植木や取り外し困難な庭石は宅地の構成部分であり、石灯籠や他の庭石は宅地の常用に供される従物である。これらは設定当時に存在していたため、民法370条により根抵当権の効力が及ぶ。本件では抵当権から除外する特段の事情もないため、宅地の登記をもってこれらの物件にも対抗力が及ぶと解される。したがって、根抵当権者はこれらの物件が独立の動産として逸出することを防止する権利を有する。
結論
根抵当権の効力は構成部分および従物に及び、登記による対抗力も認められる。よって、根抵当権者は第三者による強制執行の排除を請求できる。
実務上の射程
抵当権の効力が及ぶ範囲(370条)と対抗力の関係を整理する際の重要判例。従物については「設定当時」の存在が要件となる点に注意。動産が従物となる場合の公示の衣(登記)の機能を確認する文脈で使用する。
事件番号: 昭和32(オ)613 / 裁判年月日: 昭和32年12月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】第三者異議の訴えは、強制執行が終了した後は許容されない。既に執行が完了している場合には、執行を阻止する目的を達することができないため、訴えの利益が認められない。 第1 事案の概要:上告人Aが賃借している家屋に対し、訴外Dに対する債務名義に基づいて強制執行がなされた。Aは、当該強制執行が違法であると…
事件番号: 昭和34(オ)99 / 裁判年月日: 昭和40年3月26日 / 結論: 棄却
所有権を異議理由とする第三者異議訴訟の繋属中に、右所有権の取得原因たる契約が詐害行為に該当することを理由として右契約の取消を求める反訴が提起され、右本訴および反訴が同一の裁判所において審理された結果、詐害行為取消権が存すると判断され、前記の所有権取得が否定されるべきことが裁判所に明らかな場合においては、本訴である第三者…