一、土地改良法(昭和三九年法律第九四号による改正前のもの)五一条による一時利用地の指定は、その指定地につき存続期間の法定された一時的な使用収益を許容するものにすぎず、これを将来そのまま換地とするために行なう処分ではない。 二、土地改良区の土地改良事業の施行にあたり、一時利用地の指定を受けながらこれに対応する換地を交付されなかつた者は、右一時利用地を他人の換地とした処分の無効確認を求める利益を有しない。
一、土地改良法(昭和三九年法律第九四号による改正前のもの)五一条による一時利用地指定の性質 二、一時利用地の指定を受けながら換地を交付されない者が右一時利用地を他人の換地とした処分の無効確認を求める利益の有無
土地改良法(昭和39年法律第94号による改正前のもの)51条,行政事件訴訟特例法1条,行政事件訴訟法附則8条
判旨
土地改良法上の一時利用地の指定は、換地計画の公告までを存続期間とする一時的な使用収益を許容するものにすぎず、他人の換地処分を争う原告適格を基礎付ける権利利益とはならない。
問題の所在(論点)
一時利用地の指定を受けた者が、自らに換地が交付されず、当該一時利用地が他人の換地とされた場合に、その他人に対する換地処分の無効確認を訴求する原告適格(法律上の利益)を有するか。
規範
1.一時利用地の指定は、工事完了から換地計画認可の公告までを存続期間とする一時的な使用収益権を付与する処分であり、当該指定地を将来そのまま換地とする法的根拠はない。2.換地は従前の土地に対して交付されるものであり、一時利用地の利用関係は公告時に画一的・同時的に終了する。3.したがって、換地処分によって一時利用地に対する権利を失うのは換地計画実施の法的帰結であり、他人の換地処分そのものによって権利利益を侵害される関係にはない。
重要事実
事件番号: 昭和45(オ)1239 / 裁判年月日: 昭和47年11月28日 / 結論: 棄却
宗教法人法二四条但書の規定は、善意であつても重大な過失のある相手方または第三者までも保護する趣旨のものではないと解すべきである。
土地改良区が土地改良事業を実施し、上告人は従前の土地7筆に代わる一時利用地の指定を受けて使用収益していた。その後、換地計画が公告されたが、上告人の従前地のうち2筆に対しては換地が交付されず、当該2筆に対応する一時利用地は被上告人Bに対する換地として交付された。上告人は、Bに対する換地処分の無効確認およびBへの不当利得返還等を求めて提訴した。
あてはめ
上告人は一時利用地を換地として受けるべき権利を有すると主張するが、一時利用地の指定基準が換地基準と同一であっても、特定の土地を換地として取得する法的地位までは保障されない。上告人が本件土地の使用収益権を失ったのは、換地計画認可の公告という法的期間の満了に伴う画一的な効果であり、Bに対する換地処分そのものが上告人の権利を直接侵害したとはいえない。仮にBに対する処分を無効としても、上告人が当然に当該土地の利用関係を回復し、または換地として取得できるわけではない。
結論
上告人には他人の換地処分の無効確認を訴求する適格は認められず、また一時利用地の利用関係が終了している以上、不当利得返還請求等の私法上の請求も認められない。
実務上の射程
行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益」の有無が問われる場面において、暫定的な地位(一時利用地、仮換地等)の性質を論証する際に用いる。換地処分により従前の権利関係が画一的に終了・移行する「同時的・画一的効果」を強調する文脈で有効である。
事件番号: 昭和38(オ)1332 / 裁判年月日: 昭和40年7月22日 / 結論: 棄却
農地の権利移転についての知事の許可書の内容が不当に改ざんされたからといつて、一たん発生した許可処分の効力に何らの消長をもきたさない。
事件番号: 昭和46(行ツ)54 / 裁判年月日: 昭和49年10月24日 / 結論: 棄却
一、家督相続人の遺留分を害する財産留保は、その害する限度で、遺留分に関する規定にのつとり減殺請求権に服するにとどまり、当然に無効となるものではない。 二、いつたん確定日附ある証書によつて財産留保がされた以上、その後右証書が紛失しても、その効力に何らの影響を及ぼさない。
事件番号: 昭和33(オ)27 / 裁判年月日: 昭和34年7月2日 / 結論: その他
従前の土地の一部を譲り受けた後、所有権移転登記未了の間に、特別都市計画法第一三条による換地予定地の指定があつたからといつて、その後右譲渡部分につき分筆並びに所有権移転登記手続を訴求すべき法律上の利益がないとはいえない。