債権者のする破産宣告の申立は、債権の消滅時効の中断事由たる裁判上の請求にあたる。
債権者のする破産宣告の申立と時効中断事由。
民法147条1号,民法149条
判旨
債権者が行う破産宣告(現・破産手続開始)の申立ては、民法上の消滅時効の中断事由である「裁判上の請求」に該当する。
問題の所在(論点)
債権者が行う破産宣告の申立てが、旧民法147条1号(現行民法147条1項1号)に規定される時効中断事由としての「裁判上の請求」に該当するか。
規範
債権者による破産宣告(破産手続開始)の申立ては、時効中断事由としての「裁判上の請求」に当たるものと解するのが相当である。
重要事実
債権者である原告(被上告人)が、本件手形債権に基づき、債務者である上告人に対して破産宣告の申立てを行った。この申立てが、本件手形債権の消滅時効を中断させる「裁判上の請求」に該当するかが争点となった。
あてはめ
本件における破産宣告の申立ては、確定的な証拠(甲第四号証)に基づき、本件手形債権の行使としてなされたものであると認定される。破産手続は債権の強制的実現を図る手続の一環であり、その申立ては権利を行使する意思を裁判上明らかに公表するものといえる。したがって、かかる申立ては「裁判上の請求」に準じ、時効を中断させる効力を有すると評価すべきである。
結論
債権者による破産宣告の申立ては裁判上の請求に当たり、これによって時効は中断する。
実務上の射程
本判決は、破産手続開始の申立てに時効中断効を認めた重要な先例である。現行法下では、民法147条1項4号の「破産手続参加」に近い性質を有するが、債権者自らが申し立てる場合は1号の「裁判上の請求」として構成される。答案上、訴えの提起以外の裁判上の権利行使が時効中断(更新)事由となるか検討する際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和37(オ)683 / 裁判年月日: 昭和39年8月24日 / 結論: 棄却
手形金債務の消滅時効が承認により中断せられるためには、該手形の呈示を伴う手形金の請求がなければならないものではない。