町議会の除名処分(昭和三一年法律第一四七号による地方自治法の改正後になされた処分)に対する出訴については、県知事に対する訴願の裁決を経由すべきものである。
町議会の除名処分に対する出訴につき訴願の裁決を経ることの要否。
地方自治法255条の2
判旨
地方自治法に基づく町議会の議員除名処分に対しては、改正後の同法255条の2の規定に基づき、県知事に対する訴願(現行の審査請求に相当)を経た後でなければ、取消訴訟を提起することはできない。
問題の所在(論点)
地方自治法改正により新設された訴願前置の規定が適用される事案において、当該手続を経ずに提起された取消訴訟の適法性が問題となった。
規範
行政処分に対して法律が前置手続を定めている場合、正当な事由がない限り、当該手続を経由せずに提起された訴えは、出訴要件を欠く不適法なものとして却下される。
重要事実
町議会が昭和32年1月16日に議員に対する除名処分を行った。当時、昭和31年の地方自治法改正により、同法255条の2が新設・施行されていた。この規定によれば、町議会の処分に対しては県知事への訴願を経るべきとされていたが、被上告人はこの手続を経ずに提訴した。
あてはめ
本件除名処分は改正法施行後の昭和32年1月になされており、改正後の地方自治法255条の2が適用される。同条によれば、本件処分への出訴には県知事に対する訴願の経由が必要である。被上告人は、訴願を経由しなかったことについて正当な事由を何ら主張していないため、前置手続を欠いた不適法な提訴といえる。
結論
本件訴えは、正当な事由なく前置手続を経ずに提起された不適法なものであるため、却下を免れない。
実務上の射程
行政事件訴訟法における審査請求前置(同法8条1項ただし書)が個別法(地方自治法等)で規定されている場合の、出訴要件の厳格な判断基準を示す。司法試験では、行政訴訟の適法性を検討する際の「審査請求の前置」の項目で、法律の規定の有無と前置手続の履践を確認する際の基礎となる。
事件番号: 昭和33(オ)852 / 裁判年月日: 昭和34年2月19日 / 結論: 破棄自判
町議会議員の議会における発言の内容が、議会に対する協力の態度を欠き不徳の誹を免れない場合でも、原判決認定程度の発言を理由にその議員を除名することは違法である。
事件番号: 昭和31(オ)325 / 裁判年月日: 昭和31年10月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】普通地方公共団体の選挙管理委員会委員長は、地方自治法に基づき、その権限に属する事務の一部として、委員会の書記等の吏員に対し訴訟代理権限を委任し(いわゆる指定代理人の選任)、訴訟行為を行わせることができる。 第1 事案の概要:上告人は、被上告人である選挙管理委員会との訴訟において、原審で委員会の指定…