地方公務員法第四六条に基く措置要求の申立に対する人事委員会の判定は、取消訴訟の対象となる行政処分にあたる。
地方公務員法第四六条に基く措置要求の申立に対する人事委員会の判定は行政処分にあたるか。
行政事件訴訟特例法1条,地方公務員法46条,地方公務員法47条
判旨
地方公務員法46条に基づく勤務条件に関する措置要求に対し、人事委員会等が行う棄却または却下の判定は、職員の適正な判定を受ける権利を侵害するものとして行政事件訴訟法上の処分に当たる。
問題の所在(論点)
地方公務員法46条に基づく措置要求に対する人事委員会等の判定(却下・棄却)は、行政事件訴訟法3条2項の「行政庁の処分」に該当するか。
規範
地方公務員法46条は、職員が労働基本権を制限されていることの代償措置として、勤務条件の適正を確保するため、適法な手続で裁量権の範囲内の適正な判定を受ける権利を法的利益として保障している。したがって、違法な手続による判定や裁量権を逸脱した棄却決定は、職員の具体的権利に影響を及ぼすため、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
重要事実
地方公務員である上告人が、地方公務員法46条に基づき勤務条件に関する措置要求を行ったところ、人事委員会(または公平委員会)によって棄却(または却下)の判定を受けた。上告人はこの判定の取り消しを求めて訴えを提起したが、当該判定が「処分」に該当するか否かが争点となった。
事件番号: 昭和43(行ツ)114 / 裁判年月日: 昭和45年3月24日 / 結論: 棄却
労働基準法(昭和三一年六月法律第一二六号による改正後)八五条による災害補償に関する行政官庁の審査の結果は抗告訴訟の対象となる行政処分にあたらない。
あてはめ
地公法46条は、労働三権を制約された職員に対し、適正な判定を要求する個人的権利を認めたものである。委員会の判定が勧告的意見にとどまり、直接勤務条件を変更しない場合であっても、正規の手続で意見が表明されることにより、職員は法的により有利な地位に置かれる。この意見発表を要求する権能は一種の法的利益であり、これを違法に拒否する決定は、公的性質のみならず個人の権利義務に直接影響を与えるものといえる。別途、司法的救済の途があるとしても、この結論は左右されない。
結論
地公法46条に基づく措置要求に対する棄却・却下の決定は、行政処分に該当する。
実務上の射程
労働基本権制限の代償措置としての手続的権利の重要性を強調する。処分性の判断において「公権力性」や「権利義務への直接影響」を検討する際、単なる行政内部の監督的機能にとどまらず、個人の地位を有利にする「意見表明を受ける地位」自体を法的利益として構成する手法として有用である。
事件番号: 昭和40(行ツ)101 / 裁判年月日: 昭和46年10月28日 / 結論: 棄却
道路運送法三条二項三号に定める一般乗用旅客自動車運送事業である一人一車制の個人タクシー事業の免許にあたり、多数の申請人のうちから少数特定の者を具体的個別的事実関係に基づき選択してその免許申請の許否を決しようとするときには、同法六条の規定の趣旨にそう具体的審査基準を設定してこれを公正かつ合理的に適用すべく、右基準の内容が…