中小企業等協同組合法による信用協同組合は、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいう「特別ノ法令ニ依り設立セラレタル会社ニ準ズルモノ」に当る。
中小企業等協同組合法による信用協同組合と経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条。
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条,経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律別表乙号20,中小企業等協同組合法3条2号,中小企業等協同組合法4条
判旨
中小企業等協同組合法に基づき設立された信用協同組合は、経済関係罰則の整備に関する法律2条に規定される「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社ニ準ズルモノ」に該当する。
問題の所在(論点)
中小企業等協同組合法により設立された信用協同組合が、経済関係罰則の整備に関する法律2条に規定される「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社ニ準ズルモノ」に該当するか。その解釈が罪刑法定主義(憲法31条)に抵触しないかが問題となる。
規範
「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社ニ準ズルモノ」(経済関係罰則の整備に関する法律2条)とは、株式会社等の商事会社そのものではないが、特別の法律に基づいて設立され、その目的や業務内容が公共性を有し、実質的に会社と同様の経済活動を行う法人を指す。
重要事実
被告人側は、中小企業等協同組合法に基づき設立された信用協同組合に対して経済関係罰則の整備に関する法律2条を適用することは、憲法31条に違反する(罪刑法定主義に反する)等と主張して上告した。原審は、当該信用協同組合が同条にいう「会社ニ準ズルモノ」に当たる旨を判断していた。
事件番号: 昭和30(あ)4126 / 裁判年月日: 昭和31年12月13日 / 結論: 棄却
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律別表乙号十九ノ二「信用金庫法ニ依ル信用金庫」は、同法第二条にいう「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社」「ニ準ズルモノ」にあたる。
あてはめ
中小企業等協同組合法は、中小企業者等の相互扶助を目的とする特別の法律であり、これに基づき設立された信用協同組合は、特定の法律によって設立された法人としての性質を有する。信用協同組合は、金融業務という公共性の高い経済活動を営むものであり、その組織形態や事業の実態に鑑みれば、経済関係の秩序維持を目的とする罰則の適用において、特別の法律により設立された会社と同等の立場にあると評価できる。
結論
信用協同組合は「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社ニ準ズルモノ」に該当し、原審の判断は正当であるため、上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は、経済刑法の適用範囲における「会社に準ずるもの」の解釈を示したものである。答案上では、条文の文言が抽象的な場合に、当該法人の設立根拠法や事業の公共性、経済的実態を考慮して類推解釈にわたらない範囲で構成要件該当性を認める際の論拠として活用できる。
事件番号: 昭和36(あ)1077 / 裁判年月日: 昭和38年7月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】相互銀行は、金融緊急措置令8条にいう「銀行」に含まれると解するのが相当であり、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条別表乙号24に規定する「金融緊急措置令ニ規定スル金融機関」に該当する。 第1 事案の概要:相互銀行の支店長である被告人が、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条違反に問われた事案。同条は「金…
事件番号: 昭和36(あ)292 / 裁判年月日: 昭和38年7月10日 / 結論: 棄却
相互銀行は経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条別表乙号二四の「金融緊急措置令ニ規定スル金融機関」にあたると解すべきである。
事件番号: 昭和36(あ)1075 / 裁判年月日: 昭和38年7月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】相互銀行は、金融緊急措置令8条にいう「銀行」に含まれると解するのが相当である。したがって、相互銀行の職員による不正行為に対し、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条を適用することは、憲法31条に違反しない。 第1 事案の概要:相互銀行の支店次長である被告人が、その職務に関して不正な行為を行った。検察官…
事件番号: 昭和37(あ)555 / 裁判年月日: 昭和37年9月20日 / 結論: 棄却
原判決が、本件相互銀行のなす貸付業務が、経済関係罰則の整備に関する法律第二条の経済の統制を目的とする法令により行う統制に関する業務であることは明らかであるとして、被告人らの本件行為に右法律第二条を適用したことを相当であると判示したのは正当である。