経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律別表乙号十九ノ二「信用金庫法ニ依ル信用金庫」は、同法第二条にいう「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社」「ニ準ズルモノ」にあたる。
信用金庫法による信用金庫の経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条該当の事由
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条,経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律別表19ノ2,信用金庫法2条
判旨
信用金庫法に基づき設立された信用金庫は、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条の「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社……ニ準ズルモノ」に該当し、その役職員の贈収賄行為は同法に基づき処罰される。
問題の所在(論点)
信用金庫法に基づき設立された「信用金庫」が、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条にいう「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社……ニ準ズルモノ」に該当し、同法による贈収賄罪の処罰対象となるか。
規範
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条にいう「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社……ニ準ズルモノ」とは、必ずしも株式会社の形態を採らずとも、特別の法律により設立された法人であり、かつ、事業免許や業務運営等について国家の監督統制指導を受ける経済団体を指す。
重要事実
被告人は信用金庫の役員であったが、その職務に関し贈収賄の罪に問われた。弁護人は、信用金庫は同法別表乙号には掲げられているものの、同法2条が規定する「会社、組合又は此等に準ずるもの」のいずれにも該当しないため、処罰の根拠を欠くと主張して上告した。
事件番号: 昭和31(あ)154 / 裁判年月日: 昭和33年9月12日 / 結論: 棄却
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいう「其ノ職務」とは、同条の定める会社、組合またはこれらに準ずるものの職務であれば、同条のいう事業または業務にかかわりなく、すべてを含むと解すべきではないが、本来の独占的または統制的性質をもつ業務に局限すべきでなく、本来の事業または業務を行うために必要な関係にある事務をも含むものと…
あてはめ
信用金庫は信用金庫法という特別の法律により設立された法人(同法2条)である。また、信用金庫法によれば、信用金庫は事業免許や業務運営等について主務大臣(大蔵大臣)の監督指導に服するものである。したがって、実質的に見ても、国家の監督統制指導を受ける経済団体として「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社」に準ずる性質を備えているといえる。
結論
信用金庫は同法2条にいう「会社……に準ずるもの」に該当するため、別表乙号に掲げられている以上、同法5条(贈収賄)等の適用を受ける。したがって、本件上告を棄却する。
実務上の射程
「準ずるもの」の解釈において、組織の法的根拠(特別法の有無)と実質的な監督関係(国家による公的規制の程度)を重視する。法律が明示的に別表等で列挙している場合、その分類が条文上の概括的文言(会社、組合等)のいずれに包摂されるかを判断する際の基準として、設立根拠法と主務官庁による監督・指導の有無を考慮すべきことを示唆している。
事件番号: 昭和38(あ)2971 / 裁判年月日: 昭和39年7月9日 / 結論: 棄却
中小企業等協同組合法による信用協同組合は、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいう「特別ノ法令ニ依り設立セラレタル会社ニ準ズルモノ」に当る。
事件番号: 昭和36(あ)1077 / 裁判年月日: 昭和38年7月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】相互銀行は、金融緊急措置令8条にいう「銀行」に含まれると解するのが相当であり、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条別表乙号24に規定する「金融緊急措置令ニ規定スル金融機関」に該当する。 第1 事案の概要:相互銀行の支店長である被告人が、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条違反に問われた事案。同条は「金…
事件番号: 昭和36(あ)292 / 裁判年月日: 昭和38年7月10日 / 結論: 棄却
相互銀行は経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条別表乙号二四の「金融緊急措置令ニ規定スル金融機関」にあたると解すべきである。
事件番号: 昭和39(あ)1336 / 裁判年月日: 昭和40年9月21日 / 結論: 棄却
銀行支店長代理が架空の定期預金証書を作成し交付することは、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいわゆる「職務に関する行為」に当る。