印紙犯罪処罰法制定後、その施行中に政府が新たに発行した取引高税印紙は、同法にいわゆる印紙に該当する。
取引高税印紙は印紙犯罪処罰法にいう印紙にあたるか
印紙犯罪処罰法2条,昭和23年法律142号印紙をもつてする歳入金納付に関する,法律2条
判旨
印紙犯罪処罰法の制定・施行後に政府が新たに発行した取引高税印紙であっても、同法にいう「印紙」に該当すると解するのが相当である。
問題の所在(論点)
印紙犯罪処罰法の制定・施行後に新設された「取引高税印紙」が、同法にいう「印紙」に含まれるか。法制定時に予見できない対象を処罰することが罪刑法定主義に反しないかが問題となる。
規範
罰則を規定する法律の制定後に、その対象となるべき具体的対象(印紙等)が行政上の必要に基づき新設された場合であっても、それが当該法律の規定する概念の範囲内に含まれるものであれば、罪刑法定主義に反することなく同法の処罰対象となる。
重要事実
被告人らは、印紙犯罪処罰法が施行された後に政府が新たに発行を開始した「取引高税印紙」に関わる犯罪行為に及んだ。弁護人は、法の制定時に存在しなかった印紙を処罰対象とすることは憲法に違反すると主張して上告した。
事件番号: 昭和30(あ)2858 / 裁判年月日: 昭和33年3月25日 / 結論: 棄却
一 取引高税印紙は印紙犯罪処罰法第二条にいう「印紙」にあたる。 二 印紙犯罪処罰法第二条第一項前段にいう偽造、変造等にかかる印紙の「使用」とは、必ずしも、納税の用に供するため印紙本来の用法に従つてこれを使用する場合に限らず、これを債務の担保に供し、または金融のため譲渡する等広く真正の印紙としての効用を発揮させるため情を…
あてはめ
印紙犯罪処罰法は「印紙」全般の真正を保護し、印紙制度の信頼を維持することを目的とする。取引高税印紙は、政府が発行する証票であり、その性質上、同法が規定する「印紙」の概念に当然に含まれる。したがって、法制定後に発行されたからといって、これを処罰対象から除外すべき理由はない。
結論
取引高税印紙は印紙犯罪処罰法にいう「印紙」に該当する。したがって、同法に基づき被告人を処罰した原判決は正当である。
実務上の射程
本判決は、技術革新や制度変更に伴い新たな対象が生じた場合でも、それが法律の規定する文言の射程内であれば処罰可能であることを示している。司法試験においては、罪刑法定主義(類推解釈禁止の原則)との関係で、文言の「合理的解釈」の範囲を検討する際の論拠として利用できる。
事件番号: 昭和28(あ)1670 / 裁判年月日: 昭和29年8月20日 / 結論: 棄却
物品税証紙は刑法第一五五条第三項の文書に該当する。
事件番号: 昭和30(あ)553 / 裁判年月日: 昭和30年8月9日 / 結論: 棄却
使用済の印紙であつても財物であつて盗罪の目的となる。
事件番号: 昭和31(あ)153 / 裁判年月日: 昭和31年7月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】虚偽公文書作成罪(刑法156条)の客体である「公務員がその職務に関し作成すべき文書」とは、公務員が職務権限に基づき作成する文書全般を指し、その内容や形式は限定されない。 第1 事案の概要:被告人が関与した特定の文書(本件文書)について、これが刑法156条に規定される「公務員の職務に関する文書」に該…