公職選挙法第一四八条第三項にいう新聞紙とは、当該選挙の選挙期日の公示または告示の日前六箇月以来、現実に毎月三回以上頒布されてきたものであることを要する。
公職選挙法第一四八条第三項にいう新聞紙の意義
公職選挙法148条,公職選挙法142条,公職選挙法243条3号
判旨
公職選挙法148条3項1号にいう「新聞紙」に該当するためには、選挙期日の公示又は告示の日前6か月以来、現実に毎月3回以上頒布されていることを要する。
問題の所在(論点)
公職選挙法148条3項1号が、選挙に関する報道・評論の自由を認める対象として規定する「月三回以上定期に発行するもの」である新聞紙の意義、特に発行実績の要否が問題となる。
規範
公職選挙法148条3項1号に規定される新聞紙の要件については、公正な選挙を確保し脱法行為を防止するという同法の趣旨に照らし、形式的な発行予定ではなく、選挙期日の公示又は告示の日前6か月間において「現実に」毎月3回以上頒布されているという実績を必要とする。
重要事実
被告人らは、月3回の発行を建前とする「名古屋商店街新聞」を用いて選挙運動に関連する行為を行ったが、同新聞は本件選挙期日の公示に先立つ6か月前以来、しばしば休刊していた事実が認められた。
あてはめ
本件の名古屋商店街新聞は、発行規定上は月3回の発行を標榜していたものの、現実には選挙公示前の6か月間において頻繁に休刊していた。このような実態は、法が求める継続的・安定的な頒布実績を欠くものであり、公正な選挙を阻害する脱法的な利用を防止すべきとする法の趣旨に照らせば、同号の「新聞紙」としての実質を備えているとはいえない。
結論
本件新聞は公職選挙法148条3項1号にいう新聞紙には該当しない。
実務上の射程
選挙運動の自由と公正の要請が衝突する場面において、法148条の特権を享受できる「新聞紙」の該当性を厳格に判断した射程を有する。形式的に月3回発行を掲げるだけでは足りず、直近6か月の実態を重視する判断枠組みは、現代の公選法解釈においても実務上の指針となる。
事件番号: 昭和29(あ)787 / 裁判年月日: 昭和30年2月16日 / 結論: 棄却
一 新聞の発行、販売者が町長選挙に際し、従来行つていた郵送の方法によらないで特定の候補者の当選に有利な事項を掲載した、その発行にかかる新聞紙数百部を氏名不詳者数名に交付し、町長に頒布させることは、公職選挙法第一四八条第二項にいわゆる新聞紙を通常の方法で頒布したことに当らない。 二 公職選挙法第一四八条第二項は憲法第二一…