公職選挙法第二五二条及び衆議院議員選挙法第一三七条の選挙権被選挙権の停止に関する規定は、「公職選挙法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律」第二五条第一項にいわゆる「罰則」にあたる。
選挙権被選挙権の停止と「公職選挙法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律」第二五条にいわゆる「罰則」
衆議院職員選挙法137条,公職選挙法252条,公職選挙法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律25条
判旨
選挙権及び被選挙権の停止規定は、刑法上の刑罰には該当しないが、罰則の章に規定された一種の制裁であり、経過措置における「罰則の適用」にはこれら非刑罰的制裁も含まれる。
問題の所在(論点)
公職選挙法施行に伴う経過規定にいう「罰則の適用」に、刑法上の刑罰には該当しない「選挙権及び被選挙権の停止」に関する規定が含まれるか。
規範
法令の改正に伴う経過規定における「罰則の適用」とは、刑法に定める狭義の刑罰に関する規定のみを指すのではなく、当該法令の「罰則」の章に規定された、裁判所の裁量により判定される一種の制裁に関する規定も含むものと解すべきである。
重要事実
被告人は公職選挙法施行前に行われた地方議会議員の選挙に関して違反行為を行った。公職選挙法施行に伴う関係法令の整理に関する法律25条1項は、施行前の行為に対する「罰則の適用」については従前の例によると規定していた。被告人は、選挙権・被選挙権の停止(衆議院議員選挙法137条)は刑罰そのものではないため「罰則の適用」には含まれず、新法である公職選挙法252条が適用されるべき(あるいは適用を免れるべき)と主張して上告した。
あてはめ
まず、選挙権・被選挙権の停止は、判決によって期間が緩和されるなど裁判所の裁量によって判定される「一種の制裁」としての性質を有する。次に、当該規定は衆議院議員選挙法等の「罰則」の章の中に置かれており、民法や商法等においても「罰則」の章下に刑罰以外の制裁を規定する例は広く存在する。したがって、当該規定を刑罰そのものに限定して解釈すべき理由はなく、経過規定の「罰則」にはこれらの制裁も含まれると解するのが相当である。
結論
経過規定における「罰則の適用」には選挙権・被選挙権の停止規定も含まれるため、施行前の行為については従前の例(旧法)を適用すべきである。
実務上の射程
経過措置における「罰則」の用語が、形式的な刑罰だけでなく、行政上の制裁や資格制限等の「実質的な制裁」を包含することを認めた判例。答案上では、法令改正時の適用範囲や、資格制限等の法的性質を論じる際の参考となる。
事件番号: 昭和29(あ)2617 / 裁判年月日: 昭和29年10月26日 / 結論: 棄却
所論第一点前段は押収中には領置を含まないというが、押収中には強制処分としての差押の外任意処分たる領置も含まれるのであるから、所論は失当である。
事件番号: 昭和24(れ)1909 / 裁判年月日: 昭和25年4月26日 / 結論: 棄却
一 被告人および第一審相被告人A(選舉事務長)、B、C)いづれも選舉運動者)が戸別訪問をしたのは、被告人が立候補するにつき推薦人になつてもらうためであつて、投票を得る目的でなかつたことは、原判決引用の聽取書の残りの部分に記載されているにもかゝわらず、原判決が投票を得る目的で戸別訪問をしたとも取れる部分のみを引用して有罪…
事件番号: 昭和25(れ)494 / 裁判年月日: 昭和25年8月9日 / 結論: 棄却
一 論旨は地方自治法第七三條が衆議院議員選舉法第一三七條の規定を準用し選舉犯罪者に對し選舉權及び被選舉權を停止する旨の規定は憲法第一五條に違反するものであると主張するものであるが衆議院議員選舉法第一三七條を準用して地方公共團体の議員の選舉權被選舉權について特定の欠格事由を定めている地方自治法第七三條は憲法第一五條第三項…