食糧管理法施行令第八条にいわゆる所有者とは、何人をも問わない広義であつて、同法施行規則第二一条所定の生産者を含む。
食糧管理法施行令第八条にいわゆる所有者の意義
食糧管理法9条,食糧管理法施行令8条,食糧管理法施行規則(昭和25年農林省令101号による改正前のもの)21条,食糧管理法施行規則(昭和25年農林省令101号による改正前のもの)23条
判旨
没収対象物の換価金は、没収物の対価としての性質を有するものではなく、没収物そのものと同視すべきものである。
問題の所在(論点)
没収の対象となるべき物件が換価された場合、その換価金に対して没収の効力を及ぼすことができるか。換価金を没収物そのものと同視できるかが問題となる。
規範
没収対象となる物件が処分等により換価された場合、その換価金は、没収物自体の価値が形を変えたものにすぎず、没収物そのものと同視すべきものと解される。
重要事実
被告人が、食糧管理法等に違反する行為に関与した際、没収の対象となるべき物件が換価された。弁護人は、当該換価金が没収物の対価にすぎず、没収そのものの対象とはならない旨、あるいは法令の委任範囲を逸脱している旨を主張して上告した。
あてはめ
食糧管理法施行令等の規定において、所有者や生産者の定義が問題となったが、これらは広義に解釈されるべきであり、法令の委任範囲を逸脱するものではない。また、本件における換価金については、過去の判例(昭和25年11月15日判決等)の趣旨に照らし、没収物の対価ではなく没収物そのものと同視されるべき性質を有する。したがって、当該換価金を没収の対象とすることは適法である。
結論
換価金は没収物そのものと同視できるため、これに対する没収の言渡しは正当であり、法令違反は認められない。
実務上の射程
本判決は、刑法19条等の没収において、対象物が既に換価されている場合に、その代金を「没収物そのもの」として扱う実務上の根拠となる。答案上では、没収の対象物が現存せず換価金のみが存する場合に、本判決を引用して換価金への没収の可否を論じる際に活用できる。
事件番号: 昭和26(あ)4847 / 裁判年月日: 昭和28年4月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法等の規制に基づき、法定の除外事由がない限り、米麦等をその生産者から買い受ける行為は、同法違反の罪を構成する。 第1 事案の概要:被告人が、法定の除外事由がないにもかかわらず、米麦等の主要食糧をその生産者から買い受けたとして、食糧管理法違反で起訴された事案。被告人側は憲法違反等を主張して上…