検察官事務取扱検察事務官作成にかかる被疑者または第三者に対する供述調書は、刑訴第三二六条の同意があるときは、事物管轄の如何にかかわらず、証拠能力を有する。
検察官事務取扱検察事務官作成の被疑者または第三者に対する供述調書の証拠能力
刑訴法198条,刑訴法223条,刑訴法321条1項,刑訴法322条,刑訴法326条,検察庁法36条
判旨
共犯者の供述は、被告人の自白の補強証拠となり得る。したがって、被告人の自白と共犯者の供述が組み合わされている場合、自白のみを唯一の証拠として処罰することを禁じた憲法38条3項等には違反しない。
問題の所在(論点)
共犯者の供述は、被告人の自白に対する補強証拠(憲法38条3項、刑訴法319条2項)となり得るか。相被告人の自白と被告人の自白のみで有罪判決を下すことが許されるかが問われた。
規範
憲法38条3項及び刑事訴訟法319条2項は、被告人の自白のみによる有罪判決を禁止している。しかし、共犯者の供述は、被告人自身の自白とは別個の独立した証拠としての性質を有するため、被告人の自白の補強証拠となり得る。
重要事実
被告人Aおよび相被告人Bが関与したとされる事件において、原判決は共謀の事実を認定する際、被告人Aの自白(司法警察員および検察事務官作成の供述調書)に加え、相被告人Bの自白(司法警察員作成の弁解録取書および供述調書、検察事務官作成の供述調書)を証拠として採用した。弁護人は、これらはいずれも自白であり、自白のみによる認定であるとして違憲を主張した。
あてはめ
本件では、被告人Aの自白だけでなく、相被告人Bの供述が証拠として存在している。最高裁判所の判例によれば、相被告人の供述は被告人の自白を補強する証拠として適格性を有する。したがって、これらの証拠を総合して共謀の事実を認定したことは、被告人の自白のみを唯一の証拠として事実認定を行ったものとはいえない。また、検察事務官が作成した供述調書についても、公判において被告人および弁護人が証拠とすることに同意し、適法に証拠調べがなされているため、証拠能力に問題はない。
結論
共犯者の供述は被告人の自白の補強証拠となり得るため、本件の認定は自白のみによる処罰を禁じた規定に反しない。したがって、上告を棄却する。
実務上の射程
共犯者の供述に補強証拠としての能力を認める実務上極めて重要な判例である。答案上は、補強証拠が必要となる場面において、証拠として共犯者の供述しか存在しない場合に、本判例を引用して『自白の唯一の証拠』には当たらない旨を論じる際に用いる。
事件番号: 昭和28(あ)5200 / 裁判年月日: 昭和29年5月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の自白が存在する場合であっても、共犯者の供述(司法警察員に対する供述調書等)を補強証拠として犯罪事実を認定することは、憲法上の補強法則に反しない。 第1 事案の概要:被告人は、政府への供出完了後の生産米について自由販売を行った等の事実により起訴された。第一審判決は、被告人自身の自白に加え、共…