食糧管理法旧第三一条違反と酒税法旧第六〇条第一項違反とは牽連犯の関係に立たない。
食糧管理法旧第三一条違反と酒税法旧第六〇条第一項違反とは牽連犯となるか
食糧管理法(昭和23年法律272号による改正前のもの)9条,食糧管理法(昭和23年法律272号による改正前のもの)31条,酒税法(昭和24年法律43号による改正前のもの)60条1項,刑法54条1項
判旨
刑法54条1項後段の「犯罪の手段たる行為」に該当するか否かは、犯罪の性質上、通常他種の犯罪の手段として用いられるかどうかを標準として判断すべきである。性質上通常は手段としての関係にない行為については、牽連犯は成立しない。
問題の所在(論点)
数個の罪名に触れる行為がある場合において、それらが刑法54条1項後段の「犯罪の手段……であるとき」(牽連犯)に該当するための判断基準が問題となる。
規範
刑法54条1項後段にいう「犯罪の手段たる行為」とは、犯罪の性質上、通常他の種の犯罪の手段として用いられるかどうかを客観的な標準として定めるべきである。
重要事実
被告人が行った第一の行為と第二の行為について、弁護人は第一の行為が第二の行為の手段であるとして、刑法54条1項後段の牽連犯の適用を主張した。なお、具体的な犯罪構成事実の内容については、本判決文からは不明である。
事件番号: 昭和26(れ)1236 / 裁判年月日: 昭和26年11月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる証拠上の理由不備を主張する上告趣意は、刑訴法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決には証拠上の理由不備があるとして上告を申し立てた。判決文からは具体的な事件の内容や証拠の詳細は不明であるが、弁護人が上告趣意において訴訟法違反を主張した事案である。 第2 問題の所…
あてはめ
本件において、原判決が認定した第一の行為は、その性質上、通常第二の行為の手段として用いられるものとは認められない。したがって、被告人の主観において手段の関係にあったとしても、犯罪の性質上の通常性に欠ける以上、刑法54条1項後段の適用対象にはならないと解される。
結論
本件行為間に牽連犯は成立せず、刑法54条1項後段を適用しなかった原判決の判断は正当である。上告を棄却する。
実務上の射程
牽連犯の成否について、犯人の主観的な目的関係ではなく「犯罪の性質上の通常性」という客観的基準(客観的牽連性)を求めた重要判例である。答案上は、住居侵入罪と窃盗罪・強盗罪のような典型例以外で牽連犯の成否を論じる際、この「性質上の通常性」の有無を明示して検討する必要がある。
事件番号: 昭和30(あ)3754 / 裁判年月日: 昭和33年3月7日 / 結論: 棄却
出所不明のアルコールを主原料として酒類を密造するにあたり、かようなアルコールは所謂メチルアルコールである場合があるから、先ずその成分を確認し、法定量(一立法糎中一ミリグラム以下)を超えるメタノールを含有することのないように注意を払うべき義務あるにも拘らず、之を怠り、右アルコールに水を加え、ブドー糖、味の素、琥珀酸、乳酸…
事件番号: 昭和26(れ)1431 / 裁判年月日: 昭和26年9月25日 / 結論: 棄却
一 しかし本件記録中には、聴取書として原本たる多くの聴取書の外に、所論指摘の聴取書謄本同抄本が編綴されており、謄本又は抄本の原本たる聴取書は編綴されていない。そして、原審第二回公判調書には、ただ単に「各聴取書」とのみ記載され、「各聴取書原本」と記載されていないのであるから、右「各聴取書」の中には前示各聴取書の謄本及び抄…
事件番号: 昭和24(れ)170 / 裁判年月日: 昭和24年7月9日 / 結論: 棄却
一 刑法第五四條第一項後段の犯罪の手段たる行爲というのは犯罪の性質上通常他の種の犯罪の手段として用いられるものであるか否かを標準として定むべきものであることは當裁判所の判例とするところである。(昭和二三年(れ)第四四二號、同年七月一七日第二小法廷判決)そして酒類の密造はその性質上通常必ずしも酒類を物價統制令の條項に違反…