執行力のある債務名義又は終局判決を有しない破産債権者の届出債権に対する債権調査期日における破産管財人又は他の債権者の異議は、右破産債権届出の時効中断の効力に影響を及ぼすものではない。
執行力のある債務名義又は終局判決を有しない破産債権者の届出債権に対する債権調査期日における破産管財人又は他の債権者の異議と右破産債権届出の時効中断の効力
民法152条,破産法240条1項
判旨
破産債権の届出による時効中断の効力は、債権調査期日において破産管財人や他の債権者から異議が述べられたとしても、当然には消滅しない。異議は債権確定を阻止する効力を持つにとどまり、破産債権者は依然として破産手続を通じた権利行使を継続していると解されるからである。
問題の所在(論点)
破産債権の届出により生じた時効中断の効力は、債権調査期日において管財人等から異議が述べられた場合、民法上の「請求が却下されたとき」に該当して消滅するか。異議がなされた後の破産手続参加の法的性質が問題となる。
規範
破産手続参加による時効中断の効力(民法147条4号、現153条等)は、権利行使が継続している限り維持される。破産債権の届出後、債権調査期日で異議が述べられた場合であっても、それが直ちに民法152条(旧法)の「請求の却下」に該当するわけではなく、権利行使の継続性は否定されない。
重要事実
上告人は、債務者について開始された破産手続において、手形・小切手債権を届け出た。しかし、債権調査期日において破産管財人または他の債権者から右債権に対して異議が述べられた。その後、上告人が債権確定訴訟等を提起する前に時効期間が経過したとして、消滅時効の成否が争点となった。原審は、異議の申立てを「請求の却下」と同視し、時効中断の効力が遡及的に消滅したと判断した。
あてはめ
破産債権者は届出により手続に参加し、権利を行使している。異議が述べられた場合でも、届出債権者は後に債権確定の訴えを提起して証明すれば配当を受けられる地位(破産法261条、270条)や、議決権行使の可能性(同182条2項)を保持している。したがって、異議は単に債権確定を一時的に阻止する効力を有するにすぎず、破産手続を通じた「権利の行使」という実態を失わせるものではないため、中断の効力は維持されると評価すべきである。
結論
異議が述べられても時効中断の効力は消長を及ぼさない。原審の判断には法令の解釈を誤った違法があるため、破棄し、差し戻すべきである。
実務上の射程
破産手続(及び現行の再生・更生手続)における届出の時効中断効の継続性を裏付ける重要判例。答案では、届出後の異議の有無にかかわらず、手続が終了(廃止・終結)するまで中断効が継続する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和39(行ツ)47 / 裁判年月日: 昭和45年7月16日 / 結論: 棄却
破産宣告後は、破産財団に属する財産に対し、財団債権である国税債権をもつて新たに国税徴収法による差押をすることはできない。
事件番号: 昭和25(ク)84 / 裁判年月日: 昭和25年9月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許された場合に限り認められ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告理由は、原決定において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かについてなされた判断を…