保管金規則(明治二三年法律第一号)一条は、保管金に対する権利行使についての除斥期間を定めたものである。
保管金規則(明治二三年法律第一号)一条所定の期間の性質
保管金規則(明治23年法律第1号)1条
判旨
保管金規則1条が定める「起算日より満5年」という期間の性質は、国の一時的な預り金という保管金の性質上、法律関係を画一的に結了させる趣旨であり、除斥期間と解すべきである。
問題の所在(論点)
保管金規則1条(明治23年法律第1号)が定める、保管金の払戻請求がないまま5年を経過した場合に政府の所得とする旨の規定について、その期間の法的性質が消滅時効であるか除斥期間であるかが問題となる。
規範
保管金規則1条の趣旨は、国の一時的な預り金である保管金の性質に鑑み、その保管関係を画一的に結了させる点にある。したがって、同条が定める「満5年を過ぎて払戻の請求のないとき」という期間制限は、権利行使についての除斥期間と解するのが相当である。
重要事実
上告人は、政府において保管されていた本件剰余金について払戻請求を行った。しかし、当該保管金については、保管金規則1条の規定により「起算日より満5年」を経過しても払戻請求がなされていなかった。このため、同条に基づき当該剰余金が政府の所得に帰属するか、あるいは上告人の権利が存続しているかが争われた。
あてはめ
保管金は国の一時的な預り金という性質を有しており、このような不安定な保管関係は早期かつ画一的に処理される必要がある。保管金規則1条が、5年間の請求不在をもって「政府の所得とする」と明確に規定しているのは、単なる権利行使の懈怠に対する制裁ではなく、期間経過という客観的事実によって当然に権利を消滅させ、関係を完結させる趣旨と解される。したがって、本件剰余金についても5年の経過により権利は当然に消滅している。
結論
保管金規則1条の期間は除斥期間である。本件剰余金は払戻請求のないまま5年を経過したことにより、政府の所得に帰属し、上告人の請求は認められない。
実務上の射程
行政法または民法の基本論点である「時効と除斥期間の区別」において、条文の文言や趣旨から期間の性質を導き出す際の論理構成として活用できる。特に、国・公共団体が関与する法律関係の早期確定という行政上の必要性が、期間の性質決定(除斥期間該当性)に影響を及ぼす好例として引用される。
事件番号: 平成1(オ)433 / 裁判年月日: 平成4年4月10日 / 結論: 棄却
相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない。