主たる納税義務者に対し更生手続開始決定があつた場合においても、地方税法二条の三(昭和三四年法律第一四九号による改正前のもの)に定める第二次納税義務者に対する滞納処分が、会社更生法六七条二項の規定によつて許されなくなると解すべきものではない。
主たる納税義務者に対し更生手続開始決定があつた場合と地方税法一一条の三(昭和三四年法律第一四九号による改正前のもの)に定める第二次納税義務者に対する滞納処分の許否
地方税法(昭和34年法律第149号による改正前のもの)11条の22項,地方税法(昭和34年法律第149号による改正前のもの)11条の3,会社更生法67条2項
判旨
主たる納税義務者に更生手続開始決定がなされても、第二次納税義務者の財産に対する滞納処分は、主たる納税義務者の財産が既に公売済みであれば制限されない。
問題の所在(論点)
主たる納税義務者に対する更生手続開始決定が、別個の主体である第二次納税義務者の財産に対する滞納処分(売却決定)の効力に影響を及ぼすか。会社更生法67条2項の適用範囲と第二次納税義務の附従性・補充性が問題となる。
規範
会社更生法に基づく更生手続開始決定による滞納処分の禁止・中止(同法67条2項)は、更生会社の財産に対する処分を制限するものであり、別個の権利主体である第二次納税義務者の財産に対する処分を一般的に制限するものではない。もっとも、第二次納税義務の補充性から、主たる納税義務者の財産公売が未了であれば第二次納税義務者の公売も許されないが、既に公売を終えている等の事情があれば、第二次納税義務者の財産を公売することは違法ではない。
重要事実
主たる納税義務者であるD社に更生手続開始決定(昭和33年8月29日)がなされた。これに対し、第二次納税義務者である上告人Aの所有建物については、更生手続開始前の昭和32年に差し押さえられ、更生手続開始後の同年12月に被上告人を買受人とする売却決定がなされた。
あてはめ
まず、更生手続開始決定は更生会社の財産保護を目的とするものであり、法律上別個の義務者である第二次納税義務者の財産にはその効力は及ばない。次に、第二次納税義務には主たる納税義務者の財産を先に公売すべきという補充性があるが、本件では、売却決定時において主たる納税義務者の財産公売が未了である等の補充性違反を基礎付ける事実が主張・立証されていない。したがって、会社更生法による制限が当然に上告人の財産処分に及ぶとはいえず、売却決定は適法である。
結論
主たる納税義務者への更生手続開始決定のみを理由に、第二次納税義務者の財産に対する売却決定が当然に違法・無効となるわけではない。
実務上の射程
更生手続による強制執行等の停止の射程が、主たる債務者と人的保証・第二次納税義務者との間で峻別されることを示す。行政法における第二次納税義務の附従性・補充性の限界を検討する際の基準となる。
事件番号: 昭和24(オ)203 / 裁判年月日: 昭和25年6月16日 / 結論: 棄却
借家法第一条ノ二に規定する建物賃貸借解約申入の「正当の事由」とは、賃貸借の当事者双方の利害関係その他諸般の事情を考慮し、社会通念に照し妥当と認むべき理由をいうのである。