訴の主観的予備的併合は不適法である。
訴の主観的予備的併合の適否
民訴法21条,民訴法59条
判旨
訴の主観的予備的併合は、不適法であり許されない。一人の被告に対する請求が認められない場合に備えて、別の被告に対する請求を審理させる形態の併合は認められないとするのが判例の確立した見解である。
問題の所在(論点)
数人の被告に対し、主位的な被告に対する請求が棄却されることを条件として予備的な被告に対する請求を審理することを求める「訴の主観的予備的併合」が認められるか。
規範
訴の主観的予備的併合は不適法であって許されない。現行の民事訴訟法上、複数の被告に対して順位を付して併合請求を行うことは、一方の被告の訴訟地位が他方の請求の結果に依存し不安定になること、及び控訴審での取り扱いが複雑化すること等の理由から認められない。
重要事実
上告人(原告)は、被上告人Bらに対し、土地所有権の取得等を巡り訴えを提起した。その際、上告人は特定の被告に対する請求が認容されない場合に備えて、別の被告に対する請求を予備的に併合する「主観的予備的併合」の形態をとった。原審は、このような主観的予備的併合は不適法であると判断したため、上告人がこれを不服として上告した。
事件番号: 昭和36(オ)892 / 裁判年月日: 昭和38年6月14日 / 結論: 破棄差戻
中間省略登記の請求を認容するには、右省略について登記名義人、中間者の同意が必要である。
あてはめ
本件において、上告人は複数の被告に対する請求に順位を付して併合を申し立てているが、これは主観的予備的併合に該当する。判例の立場によれば、このような併合形態は民事訴訟法上想定されておらず不適法である。したがって、原審が主観的予備的併合を認めず不適法とした判断に違法はない。各被告の地位の独立性を害し、訴訟手続の混迷を招く恐れがあるため、許容されないと解される。
結論
訴の主観的予備的併合は不適法であり、認められない。
実務上の射程
司法試験の実務上、主観的予備的併合の不認容は確立した判例法理として扱う。共同被告間での請求の矛盾を回避したい場合には、主観的予備的併合ではなく、民事訴訟法143条の追加的併合や共同訴訟(38条後段)を活用し、弁論の併合(152条)を求めるべきであるとの誘導・検討に繋げる。
事件番号: 昭和41(オ)1234 / 裁判年月日: 昭和44年12月19日 / 結論: 棄却
不動産の買主がその売主に対してなしたいわゆる処分禁止の仮処分がある場合に、右不動産の他の買主が同一不動産について第二次の処分禁止の仮処分をすることは妨げられないが、第一次仮処分の債権者が、被保全権利の実現として、右売買契約に基づく所有権移転登記を経由したときは、第二次仮処分の債権者は、自己の仮処分の効力を主張して右所有…
事件番号: 昭和37(オ)1058 / 裁判年月日: 昭和38年5月23日 / 結論: 棄却
甲の乙に対する所有権移転登記が抹消されて甲が登記名義を回復したとき甲は丙に対し売買を原因とする所有権移転登記をせよとの丙の請求は、将来の給付請求として許される。
事件番号: 昭和33(オ)232 / 裁判年月日: 昭和33年10月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】保佐人の同意を欠く被保佐人の訴訟行為は原則として無効であり、将来的に同意が得られる見込みがある等の事情があっても、裁判所は本案判決を行うことはできず、訴えを却下すべきである。 第1 事案の概要:準禁治産者(現在の被保佐人に相当)であった上告人が、保佐人の同意を得ることなく本案の訴えを提起した。上告…
事件番号: 平成7(オ)1203 / 裁判年月日: 平成12年1月27日 / 結論: その他
一 渉外的な法律関係において、ある法律問題(本問題)を解決するために不可欠の前提問題が国際私法上本問題とは別個の法律関係を構成している場合、その前提問題の準拠法は、法廷地である我が国の国際私法により定めるべきである。 二 渉外親子関係の成立の判断は、まず嫡出親子関係の成立についてその準拠法を適用し、嫡出親子関係が否定さ…