一、民訴法第七一条の参加に基づく、参加人、原告、被告間の訴訟について本案判決をするときは、右三当事者を判決の名宛人とする一個の終局判決のみが許され、右当事者の一部に関する判決をすることも、また、残余のものに関する追加判決をすることも、許されない。 二、右に違背してされた一部判決の違法は職権調査事項にあたる。
一、民訴法第七一条の参加のある訴訟と本案判決 二、右訴訟の本案につき一部判決がされた違法と職権調査事項
民訴法71条,民訴法62条,民訴法183条,民訴法195条,民訴法405条
判旨
独立当事者参加訴訟において、一当事者がした控訴および上告の効力は他の全当事者に及び、訴訟全体が上訴審に移審する。したがって、裁判所は三当事者を判決の名宛人として一個の終局判決をすべきであり、一部の当事者を除外した判決をすることは許されない。
問題の所在(論点)
独立当事者参加訴訟において、一部の当事者間のみで控訴がなされた場合、控訴の効力は控訴状に記載のない他の当事者にも及ぶか。また、控訴審は全当事者を対象とした一個の判決をすべきか。
規範
民訴法47条(旧71条)に基づく独立当事者参加訴訟においては、訴訟の目的が各当事者間で相互に矛盾し得ない合一確定の要請があるため、当事者の一部がなした控訴または上告の効力は他の当事者全員に対しても生じる。その結果、全当事者が上訴審の訴訟当事者となり、訴訟全体が移審の対象となる。裁判所は、全当事者を判決の名宛人として一個の終局判決をなすべきであり、一部の当事者についてのみ判決をすることは、一部判決としても許されない。
重要事実
第一審原告Bが、第一審被告E信用金庫に対し、定期預金債権の支払を求めた。これに対し、上告人(参加人)が「債権は転付命令により自己に帰属する」と主張し、BとEを相手方として独立当事者参加(旧71条)を行った。第一審判決は原告Bを全面勝訴、参加人と被告Eを全面敗訴とした。これに対し参加人のみが、原告Bを相手方として控訴したが、控訴状は被告Eに送達されず、原審もBと参加人の間でのみ審理・判決を行い、被告Eを判決の名宛人から除外した。
あてはめ
本件は独立当事者参加訴訟であり、参加人がBを相手方になした控訴の効力は、第一審で共に敗訴した被告Eに対しても及ぶ。したがって、被告Eは脱退等の事情がない限り、当然に控訴審の訴訟当事者となり、本件訴訟はB・E・参加人の三者間で全体として移審している。しかるに、原審が被告Eに関与の機会を与えず、被告Eを除外してBと参加人の間だけで判決をなしたことは、合一確定を目的とする独立当事者参加訴訟の構造に反し、一個の終局判決をなすべき義務に違背するものである。
結論
控訴の効力は被告Eにも及び、訴訟全体が移審するため、被告Eを除外した原判決は違法である。原判決を破棄し、差し戻しを免れない。
実務上の射程
独立当事者参加訴訟(47条)における「上訴の不可分性」を認めたリーディングケースである。答案上は、固有必要的共同訴訟の準用(40条)の論理的帰結として、移審の範囲と判決の名宛人の特定を論じる際に用いる。一部判決が許されない点は、矛盾判決の防止という制度趣旨から説明すべきである。
事件番号: 昭和38(オ)681 / 裁判年月日: 昭和40年2月23日 / 結論: 棄却
原判決の認定した事実関係(大阪高裁昭和三八年三月一八日判決、金融法務事情三六二号二九頁所収)のもとでは、本件預金契約は、上告人と被上告人との間に成立したものと認めるのが相当である。