合資会社の社員が、他の社員を相手方として、同社員が同会社の無限責任社員ではないことならびに同会社から利益分配を受ける権利、退社のとき持分払戻を受ける権利および解散のとき残余財産の分配を受ける権利を有しないことの確認を求める訴は、即時確定の利益を欠き、不適法である。
合資会社の社員が他の社員を相手方として無限責任社員でないこと等の確認を求める訴と確認の利益
民訴法225条
判旨
確認の訴えにおいて即時確定の利益が認められるためには、請求の態様に照らし、原告の法的地位に現存する不安・危険があり、かつ確認判決を得ることがその解決に有効適切である必要があるが、本件ではその利益を欠くため不適法である。
問題の所在(論点)
本件請求の態様に照らし、確認の訴えの適法要件である「即時確定の利益」が認められるか。
規範
確認の訴えが適法となるためには、原告の権利または法的地位に現存する不安・危険が存在し、これを確認判決によって除去することが最も有効かつ適切な手段であるといえること(即時確定の利益)を要する。
重要事実
上告人らが本案訴訟(本訴)を提起したが、原審は当該請求の態様に照らし、即時確定の利益を欠くとして訴えを不適法と判断した。上告人らはこの判断を不服として上告したものであるが、具体的な紛争の背景や請求の内容についての詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
本訴請求の具体的な態様を検討すると、現在の法的地位に対する直接的な脅威や、確認判決による抜本的な解決可能性が認められない。したがって、あえて確認の訴えを認めて紛争を解決すべき必要性は認められず、即時確定の利益を欠いていると評価せざるを得ない。
結論
本件訴えは、即時確定の利益を欠き不適法であるため、上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
確認の利益の三要素(対象の適切性、即時確定の利益、方法の選択の適切性)のうち、「即時確定の利益」の有無が請求の具体的態様によって判断されることを示す。実務上は、給付の訴え等のより直接的な救済手段がある場合や、将来の法律関係に関する確認を求めている場合に、この判例と同様の理屈で訴えの適法性が否定される傾向にある。
事件番号: 昭和52(オ)1321 / 裁判年月日: 昭和53年7月10日 / 結論: 破棄自判
有限会社の経営の実権を握つていた者が、第三者に対し自己の社員持分全部を相当の代償を受けて譲渡し、会社の経営を事実上右第三者に委ね、その後相当期間を経過しており、しかも右譲渡の当時社員総会を開いて承認を受けることがきわめて容易であつたなど、判示の事実関係のもとにおいて、右譲渡人が右社員持分譲渡を承認する社員総会決議及びこ…
事件番号: 昭和61(オ)1300 / 裁判年月日: 昭和62年5月29日 / 結論: 破棄自判
宗教法人の代表役員に就任したと称している者に対し、自己が代表役員であることの確認又は右の者が代表役員でないことの確認を求める訴えは、右法人に対し自己が代表役員であることの確認を求める訴えとともに提起しても、確認の利益を欠く。
事件番号: 平成5(オ)1939 / 裁判年月日: 平成9年1月28日 / 結論: 棄却
有限会社の持分が数人の共有に属する場合、有限会社法二二条、商法二〇三条二項にいう社員の権利を行使すべき者は、その共有持分の価格に従い過半数をもって定める。