訴の交換的変更による新訴に異議なく応訴した被告は、旧訴の取下について暗黙の同意をしたものと解するのが相当である。
訴の交換的変更による新訴に異議なく応訴した場合と旧訴の取下についての同意
民訴法232条,民訴法236条
判旨
訴の交換的変更において、被告が新訴の追加に異議を述べたとしても、交換的変更そのものに異議なく応訴した場合には、旧訴の取下げを黙示的に同意したものと解するのが相当である。
問題の所在(論点)
訴の交換的変更が行われた際、被告が新訴の追加に異議を述べつつも、交換的変更自体には異議なく応訴した場合、旧訴の取下げに対する同意があったといえるか(旧訴の終了の成否)。
規範
訴の交換的変更は、法律上の性質として「新訴の提起」と「旧訴の取下げ」の複合体である。被告がこの交換的変更に対し、異議を述べることなく新訴の内容について本案の弁論(応訴)を行った場合には、旧訴の取下げ(民事訴訟法261条2項)についても黙示の同意があったものとみなされる。
重要事実
上告人(被告)に対し、相手方が訴の交換的変更を行った際、上告人は所有権確認を求める新訴の追加については異議を述べた。しかし、その後の手続において、交換的変更後の訴訟(新訴)に対しては異議なく応訴した。原審は旧訴について判断を示さなかったため、上告人はこれを不服として上告した。
あてはめ
上告人は、新訴の追加という形式的な点については異議を述べているが、交換的変更として進められる手続においては異議なく応訴している。このような応訴態度は、旧訴を切り離して新訴に審理を移行させること、すなわち旧訴の取下げを容認する法的評価を伴う。したがって、旧訴については取下げの効果が生じており、裁判所が旧訴について判断しないことは正当である。
結論
被告が交換的変更に異議なく応訴した以上、旧訴の取下げに黙示の同意があったといえ、旧訴は終了する。
実務上の射程
訴の変更(民訴法143条)の法的性質が「追加的変更」か「交換的変更」かが争われる場面で、後者の成立要件(取下げの同意)を肯定する根拠として用いる。実務上、被告が新訴の適法性を争いつつも実体審理に応じている場合、旧訴の離脱を認める基準となる。
事件番号: 昭和31(オ)1005 / 裁判年月日: 昭和34年6月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟の目的である権利を譲り受けた者が、旧民事訴訟法73条(現行民事訴訟法50条・47条等)に基づき当事者として参加を申し立てることは、事実審でない上告審においては許されない。 第1 事案の概要:被上告人(原告)が上告人(被告)に対し、所有権に基づき建物の明渡しを求めていた訴訟の上告審において、参加…