民訴規則第五〇条の規定は憲法第三二条に違反しない。
民訴規則第五〇条と憲法第三二条
民訴規則50条,憲法32条
判旨
上告理由書の提出期間を上告受理通知書の送達から50日と定めた民事訴訟規則の規定は、裁判を受ける権利を保障する憲法32条に違反しない。
問題の所在(論点)
民事訴訟規則第50条が定める上告理由書の提出期間(50日)の制限が、憲法32条の保障する「裁判を受ける権利」を侵害し、違憲といえるか。
規範
訴訟手続の細目的事項を定める規則において、権利行使に一定の期間制限を設けることは、訴訟の遅延を防止し適正迅速な審判を実現するという司法の機能維持を目的とする限り、合理的な制約として認められる。
重要事実
抗告人は、上告理由書の提出期間を「上告受理通知書の送達を受けた日から50日」と定めている民事訴訟規則第50条の規定が、国民の裁判を受ける権利を不当に制限するものであり憲法に違反すると主張して抗告を申し立てた。
あてはめ
最高裁判所の判例の趣旨に照らせば、50日という期間設定は上告理由を構成し提出するのに必要な準備期間として不合理に短いものとはいえない。このような手続上の期間制限は、審理の集中と迅速化を図るために必要かつ合理的な範囲内の規定であると解される。
事件番号: 昭和32(ク)115 / 裁判年月日: 昭和33年7月10日 / 結論: 棄却
上告理由書の提出期間に関する民訴規則第五〇条は、憲法に違反しない。
結論
民事訴訟規則第50条は憲法32条に違反しない。したがって、本件抗告は棄却されるべきである。
実務上の射程
手続法上の期間制限の合憲性を肯定した判例であり、司法試験においては裁判を受ける権利(憲法32条)の具体的態様や、裁判所による規則制定権の行使の限界を論じる際の基礎となる。期間の長短の合理性が判断のポイントとなる。
事件番号: 昭和40(ク)271 / 裁判年月日: 昭和40年9月3日 / 結論: 却下
民訴法第四一五条は、憲法第三二条に違反しない。(昭和二三年(ク)第一三号、同二四年七月二二日大法廷決定、民集三巻八号二八一頁の趣旨による)
事件番号: 昭和43(ク)451 / 裁判年月日: 昭和44年2月13日 / 結論: 棄却
(消極)
事件番号: 昭和46(ク)381 / 裁判年月日: 昭和46年12月23日 / 結論: 棄却
特別抗告の期間を五日と定める民訴法四一九条ノ二第二項の規定は憲法三二条に違反しない。
事件番号: 昭和58(ク)94 / 裁判年月日: 昭和58年12月15日 / 結論: 棄却
一 民訴規則六一条の規定は憲法三二条に違反しない。 二 民訴規則六一条の定める抗告理由書提出期間の遵守の有無を到達主義によつて決しても憲法三二条に違反しない。