いわゆる法定条件についても、民法第一二八条が類推適用される。
いわゆる法定条件と民法第一二八条の類推適用。
民法128条
判旨
停止条件付債権であっても、その侵害に対する妨害排除としての伐採禁止請求は債務者に対しては認められるが、債権という性質上、契約外の第三者に対しては請求できない。
問題の所在(論点)
1. 停止条件付権利(期待権)を有する者は、債務者に対し、その侵害を理由とする伐採禁止請求権を有するか。 2. 債務者以外の第三者に対し、債権的性質を有する期待権に基づいて妨害排除(伐採禁止)を請求できるか。
規範
1. 停止条件付権利であっても、条件の成否が未定である間における相手方の侵害行為に対しては、民法128条の類推適用により、債務者に対する関係では契約上の権利に基づく妨害排除(伐採禁止)が認められる。 2. しかし、当該権利が債権の性質を有するにすぎない場合、債権の相対性に基づき、契約関係にない第三者に対して当該権利を根拠として妨害排除を請求することはできない。
重要事実
上告人らは、被上告人B1から国有林野における部分林契約上の権利(立木の持分を含む)の贈与を受けた。この贈与契約は法令上の営林局長の許可を停止条件とするものであったが、いまだ許可は得られていなかった。その後、B1が第三者である他の被上告人ら(B2等)と共同して当該立木を伐採しようとしているとして、上告人らが全被上告人に対して伐採禁止を求めて提訴した。
あてはめ
1. 本件贈与契約は法定条件である営林局長の許可を停止条件とするが、民法128条の類推適用により、条件成就前の期待権も保護される。したがって、債務者B1が自ら伐採しようとする場合には上告人らは伐採禁止請求権を有する。しかし、B1が他の被上告人らと共同して伐採しようとする事実は認められないため、B1への請求は理由がない。 2. 次に、第三者である被上告人B2らへの請求について検討する。仮にB2らの行為が上告人らの贈与契約上の権利を害するとしても、当該権利は単なる債権にすぎない。債権は特定の相手方に対する権利であり、契約関係のない第三者に対してその効力を主張して伐採禁止という物権的請求に準ずる請求を行うことは許されない。
結論
債務者については侵害の事実が認められず、第三者については債権の相対性から妨害排除請求が認められないため、上告人らの伐採禁止請求はいずれも認められない。
実務上の射程
民法128条の期待権保護の範囲を確認するとともに、債権侵害における妨害排除請求の限界を示した判例である。債権が「物権化」していない限り、第三者に対する妨害排除請求は否定されるという実務上の原則(債権の相対性)を維持している。
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いわゆる伝聞証言の証拠能力は当然に制限されるものではなく、伝聞証言の採否は、裁判官の自由な心証による判断に委されているものと解すべきである。
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