一 訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合でも、その第三者は、当該訴訟の当事者となりうる適格を有しないかぎり、民訴第七五条の規定により、共同訴訟人として当該訴訟に参加することができない。 二 株主総会決議取消訴訟において被告となりうる者は、当該株式会社に限られる。
一 民訴法第七五条の規定により訴訟に参加し得第三者。 二 株主総会決議取消訴訟における被告適格。
民訴法75条,商法247条
判旨
株主総会決議取消の訴えにおいて、第三者が共同訴訟人として参加するには、被告適格を有する必要があるが、同訴訟の被告適格は会社に限られるため、会社側の共同訴訟参加は認められない。
問題の所在(論点)
株主総会決議取消の訴え(旧商法247条、現行会社法831条)において、第三者が会社側の共同訴訟人として参加するための要件、特に被告適格の有無が問題となる。
規範
民事訴訟法上の共同訴訟参加(旧民訴法75条、現行40条)が許されるためには、当該訴訟の目的が当事者の一方および第三者について合一に確定すべき場合であることに加え、当該第三者が当該訴訟の当事者(原告または被告)となりうる適格を有していなければならない。
重要事実
上告人は、被上告人会社(被告)に対して提起された株主総会決議取消の訴えにおいて、会社側の共同訴訟人として訴訟に参加する旨の申出を行った。これに対し、原審は上告人の参加適格を否定したため、上告人が最高裁に上告した事案である。
事件番号: 昭和48(オ)794 / 裁判年月日: 昭和51年12月24日 / 結論: 棄却
一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合においても、株主である地方公共団体、株式会社が、その職制上上司の命令に服する義務を負い、議決権の代理行使にあたつて法人の代表者の意図に反することができないようになつている職員又は従業員に議決権を代理行使させることは、右定款の規定に反しな…
あてはめ
株主総会決議取消の訴えは、その性質上、会社の組織に関する訴えであり、被告となりうる者は当該会社のみに限られると解するのが相当である。本件において、上告人は会社ではない第三者であるから、本件訴訟の被告となりうる適格を有しない。したがって、共同訴訟参加の前提となる当事者適格を欠いているといえる。
結論
上告人は本件訴訟の被告適格を有しないため、共同訴訟参加の申出は許されない。上告を棄却する。
実務上の射程
会社法上の組織に関する訴え(決議取消、無効、不存在確認等)において、会社以外の者が被告側の共同訴訟人として参加することはできないことを示した。答案上は、共同訴訟参加の要件として「当事者適格の具備」が必要であること、および会社法上の訴えの被告適格が会社に専属することを論証する際に活用すべき判例である。
事件番号: 昭和39(オ)752 / 裁判年月日: 昭和40年3月5日 / 結論: 棄却
株券発行前になされた株式の譲渡は、会社設立後、通常、株券を発行しうる合理的期間経過後になされた場合であつても、会社に対してその効力を生じない。
事件番号: 昭和28(オ)1430 / 裁判年月日: 昭和30年10月20日 / 結論: 棄却
一 商法旧第二〇六条(昭和二五年法律第一六七号による改正前のもの)の施行当時、記名株式の譲渡があつたにかかわらず株主名簿の名義書換が会社の都合でおくれていても、会社が右譲渡を認め譲受人を株主として取り扱うことは妨げないと解するのが相当である。 二 株主総会決議取消の訴において、当該決議に取消の原因となるべき違法の点があ…
事件番号: 昭和41(オ)664 / 裁判年月日: 昭和42年9月28日 / 結論: 棄却
一 株主は、他の株主に対する招集手続のかしを理由として株主総会決議取消の訴を提起することができる。 二 決議取消の訴において取消事由がある場合でも、諸般の事情を斟酌して、その取消を不適当と認めるときは、裁判所は請求を棄却することを要求する。
事件番号: 昭和29(オ)643 / 裁判年月日: 昭和31年11月15日 / 結論: 棄却
一 昭和二五年法律第一六七号による改正前の商法第二五一条が削除された後は、裁判所に右削除前と同様な裁量権があると解すべきではない。 二 予め株主総会決議事項の通知をしなかつたというような軽微でない手続上の瑕疵があるときは、裁判所は右決議取消の請求を認容すべきである。