代表者の定めがある民法上の組合は、訴訟当事者能力を有する。
民法上の組合の訴訟当事者能力。
民訴法46条,民法667条
判旨
民法上の組合であっても、代表者の定めがあるなど協同組織としての実態を備える場合には、民事訴訟法上の「権利能力なき社団」として当事者能力が認められる。
問題の所在(論点)
民法上の任意組合(民法667条)は、民事訴訟法第29条(旧46条)に規定される「権利能力なき社団」として、訴訟上の当事者能力が認められるか。
規範
民法上の任意組合であっても、特定の目的(債権の保全回収等)のために結成され、代表者の定めがあるなど、団体としての組織性を備えた協同組織と認められる場合には、民事訴訟法第29条(旧46条)にいう「権利能力なき社団」として、訴訟上の当事者能力を有する。
重要事実
3つの銀行が、特定の株式会社に対する各自の債権を出資し、同社の経営管理・営業再建を図るとともに、協力して債権を保全回収することを目的として「債権管理委員会」を結成した。同委員会は民法上の任意組合としての性質を有しており、代表者(L)が定められていた。この委員会が訴訟の当事者となったところ、その当事者能力が争点となった。
あてはめ
本件の債権管理委員会は、3つの銀行が債権の保全回収という共通の目的のために結成した協同組織であり、民法上の任意組合としての実態を有する。また、代表者としてLが選任されており、団体としての外部的な活動体制が整っている。このように代表者の定めがある協同組織として認められる以上、実質的に「権利能力なき社団」と同視し得る組織性を備えているといえる。
結論
代表者の定めがある民法上の組合は、民事訴訟法上の当事者能力を有する。したがって、本件委員会の当事者能力を認めた原審の判断は正当である。
実務上の射程
民法上の組合は原則として権利能力を有しないが、本判決は実務上、代表者の定め等の組織的実態があれば訴訟当事者となれることを認めた重要判例である。答案上は、組合の当事者能力が問われた際に、29条の「社団」を緩やかに解釈する根拠として本判例のロジックを活用すべきである。
事件番号: 昭和34(オ)1114 / 裁判年月日: 昭和38年4月2日 / 結論: 破棄差戻
債権者集会が民法上の組合と認められ、かつ、代表者の定めがなされている限り、これに訴訟当事者能力を認めて妨げない。